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お気に入りの和歌はありますか? 巻第五十一

1 :和歌厨物語:2009/09/24(木) 23:11:13 ID:tfVeemda
お気に入りの和歌を書き込んでください。

過去スレ
お気に入りの和歌はありますか?
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お気に入りの和歌はありますか?巻第二
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お気に入りの和歌はありますか 巻三
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お気に入りの和歌はありますか 巻四
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2 :名無氏物語:2009/09/24(木) 23:37:20 ID:K/V8qNJn
お気に入りの和歌はありますか? 巻第十一
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3 :名無氏物語:2009/09/24(木) 23:38:13 ID:K/V8qNJn
お気に入りの和歌はありますか? 巻第二十一
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4 :名無氏物語:2009/09/24(木) 23:39:07 ID:K/V8qNJn
お気に入りの和歌はありますか? 巻第三十一 
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5 :名無氏物語:2009/09/24(木) 23:40:11 ID:K/V8qNJn
お気に入りの和歌はありますか? 巻第四十一
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お気に入りの和歌はありますか? 巻第五十(前スレ)
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6 :名無氏物語:2009/09/24(木) 23:41:10 ID:K/V8qNJn
冬草はみながらかれて紫の一もと菊に匂ふ霜かな(正徹)

7 :名無氏物語:2009/09/24(木) 23:42:31 ID:K/V8qNJn
白菊の咲き極まりて衰ふる態と見むかも紅を帯び来ぬ(窪田空穂)

8 :名無氏物語:2009/09/24(木) 23:44:23 ID:A7j4xFi2
おく霜にうつろはんとや朝な朝な色かはり行くしら菊の花(後嵯峨院大納言典侍[新続古今])

9 :名無氏物語:2009/09/25(金) 00:33:16 ID:CV7tgPTg
雀鳴くあしたの霜の白きうへにしづかに落つる山茶花の花(長塚節)

10 :名無氏物語:2009/09/25(金) 00:34:30 ID:CV7tgPTg
山茶花のあけの空しく散る花を血にかも散ると思ひ我が見る(長塚節)

11 :名無氏物語:2009/09/25(金) 00:36:00 ID:CV7tgPTg
山茶花はつぎつぎ紅き莟もてり咲きをはるべきときの知らなく(中村憲吉)

12 :名無氏物語:2009/09/25(金) 00:37:38 ID:CV7tgPTg
土の上うるほふころはうら悲し四十年山茶花にまつはるおもひ(佐藤佐太郎)

13 :名無氏物語:2009/09/25(金) 00:49:35 ID:CV7tgPTg
逝く秋の空青くして山茶花もわれも日に照る道にてかなし(黒田淑子)

14 :名無氏物語:2009/09/25(金) 00:51:05 ID:CV7tgPTg
さざん花の夜ふかき花ほの白うまた月明におびき出されて(岡井隆)

15 :名無氏物語:2009/09/25(金) 00:54:51 ID:CV7tgPTg
葦鴨のよるべのみぎはつららゐてうき寝をうつす沖の月影(藤原定家)

16 :名無氏物語:2009/09/25(金) 00:55:39 ID:CV7tgPTg
やらのさき月影さむし沖つ鳥鴨といふ舟うき寝すらしも(源実朝)

17 :名無氏物語:2009/09/25(金) 00:57:25 ID:CV7tgPTg
花原の道はきはまる森の中の静けさ思へば鴨鳴くきこゆ(島木赤彦)

18 :名無氏物語:2009/09/25(金) 00:58:15 ID:CV7tgPTg
おほどかにここを流るる最上川鴨を浮べむ時ちかづきぬ(斎藤茂吉)

19 :名無氏物語:2009/09/25(金) 00:59:16 ID:CV7tgPTg
水の上に下りむとしつつ舞ひあがる鴨のみづかきくれなゐに見ゆ(古泉千樫)

20 :名無氏物語:2009/09/25(金) 01:00:06 ID:CV7tgPTg
いづくまでゆく鴨ならむ夕波の高まる沖に一羽なやめる(中河幹子)

21 :名無氏物語:2009/09/25(金) 01:12:18 ID:CV7tgPTg
見るも憂きしはすの月に埋み火のほのかなるしも影すさまじき(下冷泉政為)

22 :名無氏物語:2009/09/25(金) 01:13:27 ID:CV7tgPTg
暮れて行く年は身にそふ老なれど春まつ月のいそがしきかな(鴨長明)

23 :名無氏物語:2009/09/25(金) 01:15:03 ID:CV7tgPTg
花はまだつぼむ枝かとほのみえて梅初月の心色めく(顕昭)

24 :名無氏物語:2009/09/25(金) 01:15:59 ID:CV7tgPTg
戸ざしせで物すさまじき庭の月夜な夜なぞ見るしはすなれども(飛鳥井雅親)

25 :名無氏物語:2009/09/25(金) 01:17:17 ID:CV7tgPTg
新しき年の光にむかふかなしはすの月のあり明の空(三条西実隆)

26 :名無氏物語:2009/09/25(金) 01:19:01 ID:CV7tgPTg
しばし見る袖にも霜の満つるかと師走の月のかげすごき空(冷泉為村)

27 :名無氏物語:2009/09/25(金) 01:19:59 ID:CV7tgPTg
影さむきしはすの月にきらめきし剣おといかにするどかりけむ(橘曙覧)

28 :名無氏物語:2009/09/25(金) 01:21:28 ID:CV7tgPTg
墨の色霧降るたびに東京へ沁み入る如き師走となりぬ(与謝野晶子)

29 :名無氏物語:2009/09/25(金) 02:51:03 ID:CV7tgPTg
逃れえぬわが奈良すでに師走なる啾々と夜を怨霊のこゑ(前川佐美雄)

30 :名無氏物語:2009/09/25(金) 02:53:17 ID:CV7tgPTg
恋をすることまさびしき十二月ジングルベルの届かぬ心(俵万智)

31 :名無氏物語:2009/09/25(金) 02:54:42 ID:CV7tgPTg
ふりかくす雪うちはらひ仙人(やまびと)の名もかぐはしき花を見るかな(千種有功)

32 :名無氏物語:2009/09/25(金) 02:55:54 ID:CV7tgPTg
少年は少年とねむるうす青き水仙の葉のごとくならびて(葛原妙子)

33 :名無氏物語:2009/09/25(金) 02:56:44 ID:CV7tgPTg
月光は受話器をつたひはじめたり越前岬の水仙匂ふ(葛原妙子)

34 :名無氏物語:2009/09/25(金) 02:58:58 ID:CV7tgPTg
水仙城といはばいふべき城ありて亡びにけりな さんたまりや(葛原妙子)

35 :名無氏物語:2009/09/25(金) 03:00:18 ID:CV7tgPTg
梅よりもなほさきだちて山人と名におふ花や花のこのかみ(本居宣長)

36 :名無氏物語:2009/09/25(金) 03:02:51 ID:CV7tgPTg
山里の垣ねの雪間ふみわけて梅よりほかの花を見しかな(木下幸文)

37 :名無氏物語:2009/09/25(金) 09:15:06 ID:CV7tgPTg
こと草はかるる冬野の霜の色をうばひて薫る花もありけり(石川依平)

38 :名無氏物語:2009/09/25(金) 09:16:17 ID:CV7tgPTg
黄金もてつくれる月を銀の折敷に据うる花のさまかな(井上文雄)

39 :名無氏物語:2009/09/25(金) 09:17:38 ID:CV7tgPTg
かつこほる閼伽井のもとの青葉より身にしむばかり花の香ぞする(加納諸平)

40 :名無氏物語:2009/09/25(金) 09:18:49 ID:CV7tgPTg
色匂ひ品をあらそふ春秋に我あづからぬ花の仙人(橘曙覧)

41 :名無氏物語:2009/09/25(金) 09:19:48 ID:CV7tgPTg
白鳥が生みたるもののここちして朝夕めづる水仙の花(与謝野晶子)

42 :名無氏物語:2009/09/25(金) 09:21:39 ID:CV7tgPTg
ひえびえと畑の水仙青ければ怒りに燃ゆる身を投げかけぬ(前川佐美雄)

43 :名無氏物語:2009/09/26(土) 00:11:37 ID:xT8Zxy52
一夜きみの髪もて砂の上を引摺りゆくわれはやぶれたる水仙として(河野愛子)

44 :名無氏物語:2009/09/26(土) 00:14:07 ID:xT8Zxy52
青々と天の奧処を過ぎゆかむ 見ぬ世ぞかをるきみが水仙(山中智恵子)

45 :名無氏物語:2009/09/26(土) 00:16:03 ID:xT8Zxy52
しらしらと障子をとほす冬の日や室に人なく臘梅の花(窪田空穂)

46 :名無氏物語:2009/09/26(土) 00:17:08 ID:xT8Zxy52
臘梅の老いさびし香のほのぼのとわが枕べを清くあらしむ(窪田空穂)

47 :名無氏物語:2009/09/26(土) 00:18:03 ID:xT8Zxy52
蝋梅は夢のごとくに花咲けり任那日本府ここにほろびし(岡野弘彦)

48 :名無氏物語:2009/09/26(土) 00:22:24 ID:xT8Zxy52
木の葉をば払ひ尽して浦波に吹く音よわるこがらしの風(松平定信)

49 :名無氏物語:2009/09/26(土) 00:32:55 ID:xT8Zxy52
あれくらし波間もみえぬ冬の日の海のおもては行く舟もなし(藤原家隆)

50 :名無氏物語:2009/09/26(土) 00:34:27 ID:xT8Zxy52
冬の日のなぎたる沖の夕千鳥遠ざかり行く限をぞみる(順徳院)

51 :名無氏物語:2009/09/26(土) 00:37:01 ID:xT8Zxy52
伊豆の海にひとむらきえぬ泡沫やみ雪つもれる浦の初島(加藤千蔭)

52 :名無氏物語:2009/09/26(土) 00:38:01 ID:xT8Zxy52
とけてだに鯨さやれる蝦夷の海のこほれる冬をおもひこそやれ(香川景樹)

53 :名無氏物語:2009/09/26(土) 00:49:47 ID:t8PplFxN
里の海人のさだめぬ宿もうづもれぬよする渚の雪の白波(八条院高倉[新勅撰])

54 :名無氏物語:2009/09/26(土) 00:51:27 ID:t8PplFxN
夕されば潮風さむし波間よりみゆる小島に雪はふりつつ(源実朝[続後撰])

55 :名無氏物語:2009/09/26(土) 01:04:53 ID:xT8Zxy52
冬の海汝れのうつろを照らしつつさみしくも天の日はうつりゆく(窪田空穂)

56 :名無氏物語:2009/09/26(土) 01:06:17 ID:xT8Zxy52
相打てる浪はてしなき冬の海のひたと黒みつ日の落ちぬれば(若山牧水)

57 :名無氏物語:2009/09/26(土) 01:08:34 ID:xT8Zxy52
冬の海にうねりあひたる大きうねりひまなくうねり山なせるかも(若山牧水)

58 :名無氏物語:2009/09/26(土) 01:10:30 ID:xT8Zxy52
静かなる冬日の海の昏れむとしこの須臾のかなしみはいづこよりきたる(葛原妙子)

59 :名無氏物語:2009/09/26(土) 01:12:19 ID:xT8Zxy52
風や知るいづくに咲ける梅ならんただ香ばかりの春の夜の闇(正徹)

60 :名無氏物語:2009/09/26(土) 01:13:46 ID:xT8Zxy52
にほはずはいづれを梅とたどらましこのもと遠く霞む夕日に(冷泉為村)

61 :名無氏物語:2009/09/26(土) 01:14:46 ID:xT8Zxy52
鏡山みがきそへたる玉椿影もくもらぬ春の空かな(藤原定家)

62 :名無氏物語:2009/09/26(土) 01:16:01 ID:xT8Zxy52
風にみがく白玉椿今朝見ればかすみにつつむ高砂の山(肖柏)

63 :名無氏物語:2009/09/26(土) 01:30:45 ID:t8PplFxN
春たつといふばかりにやみ吉野の山もかすみて今朝は見ゆらむ(壬生忠岑[拾遺])

64 :名無氏物語:2009/09/26(土) 01:31:45 ID:t8PplFxN
春霞たつやおそきと山川の岩間をくぐる音きこゆなり(和泉式部[後拾遺])

65 :名無氏物語:2009/09/26(土) 01:33:23 ID:t8PplFxN
岩間とぢし氷も今朝はとけそめて苔の下水みちもとむらん(西行[新古今])

66 :名無氏物語:2009/09/26(土) 01:34:37 ID:t8PplFxN
春来ぬと思ひなしぬる朝けより空も霞の色になりゆく(伏見院[玉葉])

67 :名無氏物語:2009/09/26(土) 01:36:53 ID:xT8Zxy52
春にあけて先づ見る書も天地の始めの時と読みいづるかな(橘曙覧)

68 :名無氏物語:2009/09/26(土) 01:37:43 ID:xT8Zxy52
雨はれぬ椿がもとのにはたづみ花のひびきに驚かれつつ(加納諸平)

69 :名無氏物語:2009/09/26(土) 10:10:46 ID:xT8Zxy52
朝庭を光り騒がせ吹く風に乙女椿のしきりに落つる(窪田空穂)

70 :名無氏物語:2009/09/26(土) 10:16:59 ID:xT8Zxy52
さえかへる空待ちいでて春ふるや雲のあなたに残るしら雪(烏丸光弘)

71 :名無氏物語:2009/09/26(土) 10:26:51 ID:xT8Zxy52
花をのみ待つらむ人に山里の雪まの草のはるを見せばや(藤原家隆)

72 :名無氏物語:2009/09/26(土) 10:28:32 ID:xT8Zxy52
岩が根の磯の初草した萌えて寄すれば青きこよろぎの波(冷泉為相)

73 :名無氏物語:2009/09/26(土) 10:29:26 ID:xT8Zxy52
雪きゆる沢辺の水のあさ風になびくほどなき春の若草(嘉喜門院)

74 :名無氏物語:2009/09/26(土) 10:30:34 ID:xT8Zxy52
山おろし初瀬の霞吹きまよひこもりもはてぬ花の色々(正徹)

75 :名無氏物語:2009/09/26(土) 10:33:50 ID:xT8Zxy52
国見すとのぼれば寒き山風にけぶりを漏るる花は誰が門(加納諸平)

76 :名無氏物語:2009/09/26(土) 10:53:10 ID:xT8Zxy52
かすが野はただ春の日の下萌えにあらはれそむる風の音かな(順徳院)

77 :名無氏物語:2009/09/26(土) 10:55:22 ID:xT8Zxy52
摘みすてて帰らんとする春の野のすみれの花に夕日さすなり(木下幸文)

78 :名無氏物語:2009/09/26(土) 10:57:43 ID:xT8Zxy52
そことなく霞む夕べも沓の音にやがて雨しる庭の真砂地(塙保己一)

79 :名無氏物語:2009/09/26(土) 11:07:55 ID:xT8Zxy52
秋ならば月待つことの憂からまし桜に暮らす春の山里(藤原良経)

80 :名無氏物語:2009/09/26(土) 11:09:01 ID:xT8Zxy52
菅の根の長見の浜の春の日にむれたつたづのゆたに見えけり(賀茂真淵)

81 :名無氏物語:2009/09/26(土) 11:10:35 ID:xT8Zxy52
あかなくの心をおきて見し世よりいくとせ春の明ぼのの空(下冷泉政為)

82 :名無氏物語:2009/09/26(土) 11:11:47 ID:xT8Zxy52
言へばえにあはれぞふかき色見えぬながめをつくす春の曙(烏丸光弘)

83 :名無氏物語:2009/09/27(日) 00:36:27 ID:iCYRWyHH
見るがうちになほ咲き添ふもうつろふもただつくづくと花ぞかなしき(三条西実隆)

84 :名無氏物語:2009/09/27(日) 00:38:24 ID:iCYRWyHH
咲けば散る夜のまの花の夢のうちにやがてまぎれぬ嶺の白雲(正徹)

85 :名無氏物語:2009/09/27(日) 00:39:26 ID:iCYRWyHH
苗代の水影青みわたるなり早稲田の苗のおひいづるかも(花山院)

86 :名無氏物語:2009/09/27(日) 00:40:34 ID:iCYRWyHH
若草やまづ萌え出でて苗代の緑をいそぐ小田のほそ道(中院通茂)

87 :名無氏物語:2009/09/27(日) 00:41:49 ID:iCYRWyHH
しめはへて水口まつる畔つづき苗代ぐみの花咲きにけり(井上文雄)

88 :名無氏物語:2009/09/27(日) 00:43:06 ID:iCYRWyHH
よもの空はふけしづまりて花の上にただおぼろなる月ひとりのみ(木下長嘯子)

89 :名無氏物語:2009/09/27(日) 00:44:00 ID:iCYRWyHH
すくすくと生ひたつ麦に腹すりて燕飛びくる春の山畑(橘曙覧)

90 :名無氏物語:2009/09/27(日) 00:44:53 ID:iCYRWyHH
風かよふ寝覚の袖の花の香にかをる枕の春の夜の夢(俊成卿女)

91 :名無氏物語:2009/09/27(日) 00:53:12 ID:iCYRWyHH
思ひつつただうたた寝の夢の間にいく山越えて花を見つらん(花山院師兼)

92 :名無氏物語:2009/09/27(日) 00:53:58 ID:iCYRWyHH
梅が香に窓もる月をかた敷きてなかばさめゆく春の夜の夢(木下長嘯子)

93 :名無氏物語:2009/09/27(日) 01:03:52 ID:iCYRWyHH
たづねくるはかなき羽にもにほふらん軒端の梅の花の初蝶(藤原家隆)

94 :名無氏物語:2009/09/27(日) 01:34:58 ID:iCYRWyHH
惜しみかねまどろむ夢のたましひや花の跡とふ胡蝶とはなる(小沢蘆庵)

95 :名無氏物語:2009/09/27(日) 01:35:49 ID:iCYRWyHH
蝶よ蝶よ花といふ花の咲くかぎり汝がいたらざる所なきかな(香川景樹)

96 :名無氏物語:2009/09/27(日) 01:37:50 ID:iCYRWyHH
うかれきて花野の露にねぶるなりこはたが夢の胡蝶なるらん(蓮月)

97 :名無氏物語:2009/09/27(日) 01:38:41 ID:iCYRWyHH
夢絶えしうきねの袖か波の穂の朝日にぬれて胡蝶とぶなり(加納諸平)

98 :名無氏物語:2009/09/27(日) 01:39:36 ID:iCYRWyHH
岩がくれ咲けるつつじの人しれず残れる春の色もめづらし(永福門院)

99 :名無氏物語:2009/09/27(日) 01:40:52 ID:iCYRWyHH
行く春も家路わすれよ軒ばまで幾重霞みて山梨の花(正徹)

100 :名無氏物語:2009/09/27(日) 01:41:39 ID:iCYRWyHH
花鳥もみなゆきかひてむばたまの夜のまに今日の夏は来にけり(紀貫之)

101 :名無氏物語:2009/09/27(日) 01:42:20 ID:iCYRWyHH
見しやいつ咲き散る花の春の夢覚むるともなく夏は来にけり(正徹)

102 :名無氏物語:2009/09/27(日) 01:54:20 ID:iCYRWyHH
夏来てはひとつ緑もうすくこき梢におのが色は分かれて(後水尾院)

103 :名無氏物語:2009/09/27(日) 02:22:55 ID:iCYRWyHH
うとくなるおのが鳴くねも色みえば青葉の花の山ほととぎす(後水尾院)

104 :名無氏物語:2009/09/27(日) 02:24:12 ID:iCYRWyHH
夕涼み閨へも入らぬうたた寝の夢をのこして明くるしののめ(藤原有家)

105 :名無氏物語:2009/09/27(日) 02:25:03 ID:iCYRWyHH
いづれ憂き入りぬる磯の夏の夜は見らくすくなき月と夢とに(正徹)

106 :名無氏物語:2009/09/27(日) 02:25:52 ID:iCYRWyHH
おぼつかないつか晴るべき侘び人の思ふ心やさみだれの空(源俊頼)

107 :名無氏物語:2009/09/27(日) 02:27:04 ID:iCYRWyHH
山もとのけぶりの色も消えはてぬ遠里村の五月雨の暮(永福門院)

108 :名無氏物語:2009/09/27(日) 02:27:59 ID:iCYRWyHH
あぢさゐの花のよひらにもる月を影もさながら折る身ともがな(源俊頼)

109 :名無氏物語:2009/09/27(日) 02:28:46 ID:iCYRWyHH
夏もなほ心はつきぬあぢさゐのよひらの露に月もすみけり(藤原俊成)

110 :名無氏物語:2009/09/27(日) 02:42:57 ID:iCYRWyHH
あぢさゐの下葉にすだく蛍をば四ひらの数の添ふかとぞ見る(藤原定家)

111 :名無氏物語:2009/09/27(日) 02:44:06 ID:iCYRWyHH
夕月夜ほの見えそめしあぢさゐの花もまどかに咲きみちにけり(加納諸平)

112 :名無氏物語:2009/09/27(日) 02:46:51 ID:iCYRWyHH
あぢさゐの藍のつゆけき花ありぬぬばたまの夜あかねさす昼(佐藤佐太郎)

113 :名無氏物語:2009/09/27(日) 13:59:08 ID:iCYRWyHH
紅にふかくもにほふ蓮かな池の心やきよく澄むらむ(肥後)

114 :名無氏物語:2009/09/27(日) 13:59:57 ID:iCYRWyHH
朝夕日うつる葵の影すずしみどりのすだれ色をそへつつ(十市遠忠)

115 :名無氏物語:2009/09/27(日) 14:02:00 ID:iCYRWyHH
夏ふかみ野原を行けば程もなく先立つ人の草がくれぬる(俊恵)

116 :名無氏物語:2009/09/27(日) 14:03:53 ID:iCYRWyHH
涼みにと分け入る道は夏深し裾野につづく森の下草(藤原良経)

117 :名無氏物語:2009/09/27(日) 14:04:53 ID:iCYRWyHH
うすくこく茂るをままに吹き分けて風のゆくへの見えし夏草(葛岡宣慶)

118 :名無氏物語:2009/09/27(日) 14:06:11 ID:iCYRWyHH
賤の男が刈りつかねたる夏草の中にまじれる月草の花(木下幸文)

119 :名無氏物語:2009/09/27(日) 14:07:21 ID:iCYRWyHH
猫の子の首の鈴金かすかにも音のみしたる夏草のうち(大隈言道)

120 :名無氏物語:2009/09/27(日) 14:08:20 ID:iCYRWyHH
あはれにもみさをにもゆる蛍かな声たてつべき此の世と思ふに(源俊頼)

121 :名無氏物語:2009/09/27(日) 14:17:07 ID:iCYRWyHH
秋ちかし雲ゐまでとやゆく蛍沢べの水に影のみだるる(俊成卿女)

122 :名無氏物語:2009/09/27(日) 14:18:17 ID:iCYRWyHH
水よりもすずしかりけり薄物の片身をもるる夏虫の影(加納諸平)

123 :名無氏物語:2009/09/27(日) 14:19:15 ID:iCYRWyHH
ともし火に入る夏虫のはかなさを身にたとへても明かしつるかな(源俊頼)

124 :名無氏物語:2009/09/27(日) 14:20:20 ID:iCYRWyHH
色みえぬ夏野の草にかくろへて秋待ちかぬる虫の声かな(藤原為家)

125 :名無氏物語:2009/09/27(日) 15:07:36 ID:iCYRWyHH
日ざかりに夏野をくればいくたびかおどろく蛇の草隠れゆく(熊谷直好)

126 :名無氏物語:2009/09/27(日) 15:08:52 ID:iCYRWyHH
昼寝する枕にひとつ名のる蚊のほそ声耳を離れざりけり(井上文雄)

127 :名無氏物語:2009/09/27(日) 15:10:13 ID:iCYRWyHH
夕かけて小雨こぼるる竹むらの蚊のほそ声に夏を知るかな(加納諸平)

128 :名無氏物語:2009/09/27(日) 15:11:43 ID:iCYRWyHH
泉川かは波きよくさす棹のうたかた夏をおのれ消ちつつ(藤原定家)

129 :名無氏物語:2009/09/27(日) 15:13:09 ID:iCYRWyHH
短夜の名とりの川のはやき瀬にながれてやすく明くる月影(後宇多院)

130 :名無氏物語:2009/09/27(日) 15:15:17 ID:iCYRWyHH
涼しさはまし水あさみさざれ石もながるる月の有明のこゑ(正徹)

131 :名無氏物語:2009/09/27(日) 15:16:20 ID:iCYRWyHH
浦風は夕べ涼しくなりにけり海人の黒髪いまかほすらむ(香川景樹)

132 :名無氏物語:2009/09/27(日) 15:17:36 ID:iCYRWyHH
ここかしこ岸根のいばら花咲きて夏になりぬる川ぞひの道(木下幸文)

133 :名無氏物語:2009/09/27(日) 15:29:11 ID:iCYRWyHH
日ざかりは遊びてゆかむ影もよし真野の萩原風たちにけり(源俊頼)

134 :名無氏物語:2009/09/27(日) 15:30:12 ID:iCYRWyHH
水無月の草もゆるがぬ日盛りにあつさぞしげる蝉のもろ声(慈円)

135 :名無氏物語:2009/09/27(日) 16:05:23 ID:iCYRWyHH
見わたせば浪もゆるがぬ夏の日に松かげ遠き磯のほそ道(宮内卿)

136 :名無氏物語:2009/09/27(日) 16:06:15 ID:iCYRWyHH
水無月の照る日にかれてふみわたるさざれもあつき夏の山川(小沢蘆庵)

137 :名無氏物語:2009/09/27(日) 16:07:14 ID:iCYRWyHH
吹きしをり野分をならす夕立の風の上なる雲よ木の葉よ(正徹)

138 :名無氏物語:2009/09/27(日) 16:08:56 ID:iCYRWyHH
すずみ舟よする堅田の浦風に月もゆらるる波の上かな(蓮月)

139 :名無氏物語:2009/09/27(日) 16:10:15 ID:iCYRWyHH
昨日まで花の散るをぞ惜しみこし夢かうつつか夏も暮れにけり(源実朝)

140 :名無氏物語:2009/09/27(日) 16:31:32 ID:iCYRWyHH
行く雲もほたるの影もかろげなり来む秋ちかき夕風のそら(賀茂真淵)

141 :名無氏物語:2009/09/27(日) 16:32:23 ID:iCYRWyHH
吹く風の涼しくもあるかおのづから山の蝉なきて秋は来にけり(源実朝)

142 :名無氏物語:2009/09/27(日) 16:33:54 ID:iCYRWyHH
白露とあらそひながら今日もまた扇はえこそ置かれざりけれ(肥後)

143 :名無氏物語:2009/09/27(日) 16:35:07 ID:iCYRWyHH
打ちよする浪より秋はたつた川さてもわすれぬ柳陰かな(藤原良経)

144 :名無氏物語:2009/09/27(日) 16:36:46 ID:iCYRWyHH
かざしては夏の日影ぞへだて行く秋風いだす月の扇に(正徹)

145 :名無氏物語:2009/09/27(日) 17:04:37 ID:iCYRWyHH
秋来ても猶たへがたくあつき日のさすがに暮るる影の程なさ(後水尾院)

146 :名無氏物語:2009/09/27(日) 17:05:56 ID:iCYRWyHH
朝がほの凋まぬほどに降り晴れて雨より後の秋のあつさは(上田秋成)

147 :名無氏物語:2009/09/27(日) 17:08:06 ID:iCYRWyHH
あさがほの花ともわかずおもるなり古き籬の秋のしら露(肖柏)

148 :名無氏物語:2009/09/27(日) 17:09:24 ID:iCYRWyHH
来ん秋もなほ世にあらば槿の花をはかなとまたこそは見め(小沢蘆庵)

149 :名無氏物語:2009/09/27(日) 17:11:19 ID:iCYRWyHH
青白色(セルリーアン) 青白色(セルリーアン) とぞ朝顔はをとめ子のごと空にのぼりぬ(葛原妙子)

150 :名無氏物語:2009/09/27(日) 17:12:37 ID:iCYRWyHH
秋の野に千はこの玉をなげすててとる人なしにみゆる白露(木下長嘯子)

151 :名無氏物語:2009/09/27(日) 17:39:34 ID:iCYRWyHH
萩の花くれぐれまでもありつるが月いでて見るになきがはかなさ(源実朝)

152 :名無氏物語:2009/09/27(日) 17:41:14 ID:iCYRWyHH
昨日まで盛りを見むと思ひつる萩の花ちれり今日の嵐に(田安宗武)

153 :名無氏物語:2009/09/27(日) 17:44:32 ID:iCYRWyHH
夕風に鳴くひよ鳥の声落ちて日かげさびしき杉の一むら(柳原安子)

154 :名無氏物語:2009/09/27(日) 17:46:00 ID:iCYRWyHH
秋立ちて鵙鳴く野べの静けさに萩のさかりはいつかとぞ思ふ(大隈言道)

155 :名無氏物語:2009/09/27(日) 18:07:32 ID:iCYRWyHH
秋萩の下葉そめむとふる雨の寒き夕べに雁なきわたる(八田知紀)

156 :名無氏物語:2009/09/27(日) 18:08:45 ID:iCYRWyHH
おしこめて秋のあはれに沈むかな麓の里の夕霧の底(式子内親王)

157 :名無氏物語:2009/09/27(日) 18:10:11 ID:iCYRWyHH
世を憂しといとひはてぬる秋もなほ心に残る峰の朝霧(宗尊親王)

158 :名無氏物語:2009/09/27(日) 18:11:51 ID:iCYRWyHH
水の面に吹く跡みえて山もとの川風しろき波のうき霧(後水尾院)

159 :名無氏物語:2009/09/27(日) 18:13:18 ID:iCYRWyHH
うちつけにまた来む秋の今宵まで月ゆゑ惜しくなる命かな(西行)

160 :名無氏物語:2009/09/27(日) 18:14:19 ID:iCYRWyHH
さびしさや思ひよわると月見れば心のそらぞ秋ふかくなる(藤原良経)

161 :名無氏物語:2009/09/27(日) 18:16:13 ID:iCYRWyHH
夢ならでまたもろこしのまぢかきは月みる夜半の心なりけり(二条為子)

162 :名無氏物語:2009/09/27(日) 18:17:16 ID:iCYRWyHH
たましひの入野のすすき初尾花わがあかざりし袖と見しより(下河辺長流)

163 :名無氏物語:2009/09/27(日) 18:47:32 ID:iCYRWyHH
武蔵野を人は広しとふ吾はただ尾花分け過ぐる道とし思ひき(田安宗武)

164 :名無氏物語:2009/09/27(日) 18:48:55 ID:iCYRWyHH
稲子麻呂うるさく出でてとぶ秋の日和よろこび人豆を打つ(橘曙覧)

165 :名無氏物語:2009/09/27(日) 19:24:05 ID:iCYRWyHH
世は色もおとろへぞゆく天人(あまびと)の愁へやくだる秋の夕暮(心敬)

166 :名無氏物語:2009/09/27(日) 19:25:20 ID:iCYRWyHH
ながめこしいくよの秋の憂さならむ我とはなしの夕暮の空(後水尾院)

167 :名無氏物語:2009/09/27(日) 19:26:42 ID:iCYRWyHH
このごろは柑子橘なりまじり木の葉もみづや秋の山里(建礼門院右京大夫)

168 :名無氏物語:2009/09/27(日) 19:28:28 ID:iCYRWyHH
はらはらとおつる木の葉に交じりきて栗の実ひとり土に声あり(蓮月)

169 :名無氏物語:2009/09/27(日) 19:31:03 ID:iCYRWyHH
門すぐる風をしるべに樫の実のひとり出でても拾ふうなゐか(大隈言道)

170 :名無氏物語:2009/09/27(日) 19:31:44 ID:iCYRWyHH
山がつが餅にせんと木の実つき浸す小川をまたや渡らん(加納諸平)

171 :名無氏物語:2009/09/27(日) 19:34:16 ID:iCYRWyHH
秋もやや深くなり行く里林柚(ゆ)の実まじりに色づきにけり(井上文雄)

172 :名無氏物語:2009/09/27(日) 19:36:06 ID:iCYRWyHH
夜もすがら空ゆく月のかげさえて天の河瀬や秋こほるらむ(兼好)

173 :名無氏物語:2009/09/27(日) 19:47:39 ID:iCYRWyHH
惜しとおもふ二夜の月の更けがたにただやは人の寝て明かすべき(後崇光院)

174 :名無氏物語:2009/09/27(日) 19:49:40 ID:iCYRWyHH
いくめぐり秋来る空の西にゐて東に待ちてなれし月影(三条西実隆)

175 :名無氏物語:2009/09/27(日) 21:54:18 ID:iCYRWyHH
夕月夜まだ初秋の空よりぞ照り増るべき影はことなる(武者小路実陰)

176 :名無氏物語:2009/09/27(日) 21:55:08 ID:iCYRWyHH
雨そそぐ秋の山田の夕ぐれは案山子の外に立つ人もなし(蓮月)

177 :名無氏物語:2009/09/27(日) 21:56:03 ID:iCYRWyHH
山里はまだき夜寒になりぬらし真柴のけぶり月に立つみゆ(加納諸平)

178 :名無氏物語:2009/09/27(日) 21:56:52 ID:iCYRWyHH
明日伐らむ船木が中にもみぢ葉のこがれて見ゆる足柄の山(加納諸平)

179 :名無氏物語:2009/09/27(日) 21:57:53 ID:iCYRWyHH
山さびし木の葉小鳥のこゑごゑに時雨れてわたる秋の暮方(三条西実隆)

180 :名無氏物語:2009/09/27(日) 21:58:50 ID:iCYRWyHH
都にも時雨やすらん越路には雪こそ冬のはじめなりけれ(宗良親王)

181 :名無氏物語:2009/09/27(日) 21:59:42 ID:iCYRWyHH
冬はまだ朝けの空も見し秋の面影ながらうち時雨れける(後崇光院)

182 :名無氏物語:2009/09/27(日) 22:00:31 ID:iCYRWyHH
嵐吹く空は木の葉のむらだちにこの頃雲の往き来をも見ず(正徹)

183 :名無氏物語:2009/09/27(日) 22:44:32 ID:iCYRWyHH
森深き神の社の古簾すけきにとまる風の落葉は(上田秋成)

184 :名無氏物語:2009/09/27(日) 22:49:54 ID:iCYRWyHH
夢かとも雪よりさきにとひてみよ小野の千種の霜枯の色(貞常親王)

185 :名無氏物語:2009/09/27(日) 22:50:55 ID:iCYRWyHH
枯れのこる茎うす赤き犬蓼の腹ばふ庭に霜ふりにける(橘曙覧)

186 :名無氏物語:2009/09/27(日) 22:51:52 ID:iCYRWyHH
神な月しぐるるものを冬かけて春に似たりと誰か言ひけん(藤原俊成)

187 :名無氏物語:2009/09/27(日) 22:53:02 ID:iCYRWyHH
この里は冬おく霜のかろければ草の若葉ぞ春の色なる(藤原定家)

188 :名無氏物語:2009/09/27(日) 22:54:35 ID:iCYRWyHH
江の南若葉の草もみどりにて春のかげなる神無月かな(藤原定家)

189 :名無氏物語:2009/09/27(日) 23:39:46 ID:iCYRWyHH
火影にも小春てふ名はかくれねどはつかに匂ふ夜の梅が香(鵜殿余野子)

190 :名無氏物語:2009/09/27(日) 23:50:39 ID:iCYRWyHH
かへり咲く花もありやとたづねみん小春のどけき桜野の宮(熊谷直好)

191 :名無氏物語:2009/09/27(日) 23:53:07 ID:iCYRWyHH
やらのさき月影さむし沖つ鳥鴨といふ舟うき寝すらしも(源実朝)

192 :名無氏物語:2009/09/27(日) 23:54:21 ID:iCYRWyHH
いづくまでゆく鴨ならむ夕波の高まる沖に一羽なやめる(中河幹子)

193 :名無氏物語:2009/09/27(日) 23:55:19 ID:iCYRWyHH
月すめば冬の水なき空とぢて氷をはらふ夜はの木枯し(正徹)

194 :名無氏物語:2009/09/27(日) 23:56:08 ID:iCYRWyHH
月をこそ眺めなれしか星の夜の深きあはれを今宵知りぬる(建礼門院右京大夫)

195 :名無氏物語:2009/09/27(日) 23:57:21 ID:iCYRWyHH
夜は寒み雪ふりはるる暁の嵐にみがく星の影かな(伏見院)

196 :名無氏物語:2009/09/28(月) 00:07:22 ID:e33NwrJL
東屋の軒の垂氷にうつろへる光も寒きあかぼしの影(橘千蔭)

197 :名無氏物語:2009/09/28(月) 00:12:40 ID:e33NwrJL
置きわたす野路の霜さへ見ゆるかなさえわたりたる星の光に(木下幸文)

198 :名無氏物語:2009/09/28(月) 00:13:32 ID:e33NwrJL
夜をこめてわれは識るなりはろばろし光きびしき冬のシリウス(坪野哲久)

199 :名無氏物語:2009/09/28(月) 00:14:37 ID:e33NwrJL
来る人のむかふ吹雪に物言はで雪ふむ音のさゆる道のべ(正徹)

200 :名無氏物語:2009/09/28(月) 00:43:06 ID:e33NwrJL
うづもるる垣ねの雪ににほふなり春のとなりにさける梅が枝(頓阿)

201 :名無氏物語:2009/09/28(月) 00:44:04 ID:e33NwrJL
冬来てもなほ時あれや庭の菊こと色そむるよもの嵐に(順徳院)

202 :名無氏物語:2009/09/28(月) 00:45:02 ID:e33NwrJL
冬草はみながら枯れて紫の一もと菊ににほふ霜かな(正徹)

203 :名無氏物語:2009/09/28(月) 00:46:15 ID:e33NwrJL
こと草は枯るる冬野の霜の色をうばひて薫る花もありけり(石川依平)

204 :名無氏物語:2009/09/28(月) 00:48:02 ID:e33NwrJL
山里のもみぢ過ぎぬる冬木には雪の初花咲きかへてけり(康資王母)

205 :名無氏物語:2009/09/28(月) 00:49:00 ID:e33NwrJL
あしびきの山は嵐の声もなし一葉のこらぬ冬の梢に(東常縁)

206 :名無氏物語:2009/09/28(月) 14:46:10 ID:e33NwrJL
冬枯れの梢を松に吹きまぜてこまかにかはる風の音かな(木下長嘯子)

207 :名無氏物語:2009/09/28(月) 14:47:58 ID:e33NwrJL
寝覚してかきおどろかす埋み火ぞ冬の夜深き友にはありける(紀伊)

208 :名無氏物語:2009/09/28(月) 14:49:00 ID:e33NwrJL
見るも憂き師走の月に埋み火のほのかなるしも影すさまじき(下冷泉政為)

209 :名無氏物語:2009/09/28(月) 14:49:58 ID:e33NwrJL
うづみ火のにほふあたりは長閑にて昔がたりも春めきにけり(香川景樹)

210 :名無氏物語:2009/09/28(月) 14:50:59 ID:e33NwrJL
むし衾なごやが下の埋み火に足さしのべて寝らくしよしも(本居宣長)

211 :名無氏物語:2009/09/28(月) 14:53:17 ID:e33NwrJL
冬がれの木の葉さはらぬ高嶺よりこほりて出づる月ぞまぢかき(花園院)

212 :名無氏物語:2009/09/28(月) 14:54:31 ID:e33NwrJL
ちりぢりに夕暮かへる市人の別れぞ今日は年の別れ路(本居宣長)

213 :名無氏物語:2009/09/28(月) 14:56:45 ID:e33NwrJL
花を待つ春はとなりになりにけり故郷ちかきみ吉野の山(藤原家隆)

214 :名無氏物語:2009/09/28(月) 15:11:55 ID:e33NwrJL
花の色に心もそめぬうなゐ児の昔よりこそ春は待たれし(油谷倭文子)

215 :名無氏物語:2009/09/28(月) 15:12:57 ID:e33NwrJL
まだしらぬ人を初めて恋ふるかな思ふ心よ道しるべせよ(肥後)

216 :名無氏物語:2009/09/28(月) 15:13:49 ID:e33NwrJL
ほの見しにそのこととなく詠めわびぬこれをや恋の春の夕暮(肖柏)

217 :名無氏物語:2009/09/28(月) 15:14:59 ID:e33NwrJL
きのふまで何とはなくて思ふこと今日定まりぬ恋のひとつに(契沖)

218 :名無氏物語:2009/09/28(月) 15:16:13 ID:e33NwrJL
いつとなくわけゆく水のあはれ身にしらず逢瀬をたどりわびぬる(十市遠忠)

219 :名無氏物語:2009/09/28(月) 15:18:28 ID:e33NwrJL
諸共にみし世の月の光までおもがはりするこの秋は憂し(後水尾院)

220 :名無氏物語:2009/09/28(月) 15:20:38 ID:e33NwrJL
二たびの名残もかなしおき出でて別ると見しは夢に別れて(正徹)

221 :名無氏物語:2009/09/28(月) 15:21:55 ID:e33NwrJL
思ふとは摘み知らせてきひひな草わらは遊びの手たはぶれより(源仲正)

222 :名無氏物語:2009/09/28(月) 15:52:57 ID:e33NwrJL
思ひ寝の夢路を遠み覚めゆけば分けこし胸にさわぐ笹原(正徹)

223 :名無氏物語:2009/09/28(月) 15:56:35 ID:e33NwrJL
思ふには月日ぞ遠き今来むと言ひしにさはる海山はなし(三条西実隆)

224 :名無氏物語:2009/09/28(月) 16:13:31 ID:e33NwrJL
ときは木のその色となき雪の中も松は松なるすがたぞみゆる(光厳院)

225 :名無氏物語:2009/09/28(月) 16:14:54 ID:e33NwrJL
風のおと濤のひびきにかよふまで早生ひのぼれ松よ小松よ(熊谷直好)

226 :名無氏物語:2009/09/28(月) 16:18:06 ID:e33NwrJL
いにしへの七の賢き人もみな竹をかざして年ぞ経にける(藤原仲実)

227 :名無氏物語:2009/09/28(月) 16:19:50 ID:e33NwrJL
月きよみ玉のみぎりの呉竹に千代をならせる秋風ぞ吹く(藤原定家)

228 :名無氏物語:2009/09/28(月) 16:21:05 ID:e33NwrJL
窓近き一むら竹の小夜嵐うき世の夢のへだてなりけり(伴林光平)

229 :名無氏物語:2009/09/28(月) 16:22:00 ID:e33NwrJL
日影はふ繁みが下に苔むして緑のふかき山の峡かな(源国信)

230 :名無氏物語:2009/09/28(月) 16:27:11 ID:e33NwrJL
知られじな夕べの雲をそれとだに云はで思ひの下に消えなば(俊成卿女)

231 :名無氏物語:2009/09/28(月) 16:29:53 ID:e33NwrJL
おのづから心や澄める山里の岩に苔むす庭のやり水(嘉喜門院)

232 :名無氏物語:2009/09/28(月) 16:31:21 ID:e33NwrJL
ゆく人は絶えて木の間をもる月の影こそかよへ苔のふる道(大内正弘)

233 :名無氏物語:2009/09/28(月) 16:33:19 ID:e33NwrJL
浮き草を雲とやいとふ夏の池の底なる魚も月をながめば(源頼政)

234 :名無氏物語:2009/09/29(火) 09:12:53 ID:v2OgB3/J
ふるとしの雪の白魚さくらだひ春の境の海にてぞひく(熊谷直好)

235 :名無氏物語:2009/09/29(火) 09:16:40 ID:v2OgB3/J
流れくる花に浮びて戯えてはまた瀬をのぼる春の若鮎(大隈言道)

236 :名無氏物語:2009/09/29(火) 09:18:32 ID:v2OgB3/J
朝まだき楢の枯葉をそよそよと外山を出でて猿鳴くなり(源顕仲)

237 :名無氏物語:2009/09/29(火) 09:19:23 ID:v2OgB3/J
物言はぬ四方のけだものすらだにも哀れなるかなや親の子を思ふ(源実朝)

238 :名無氏物語:2009/09/29(火) 09:28:04 ID:v2OgB3/J
夕まぐれ野飼ひの牛は歩みきて霞める道に逢ふ人もなし(正徹)

239 :名無氏物語:2009/09/29(火) 09:29:21 ID:v2OgB3/J
うるはしき猫日和かもこともなく白猫抱き歩みゆかなむ(山中智恵子)

240 :名無氏物語:2009/09/29(火) 09:32:15 ID:v2OgB3/J
吹きはらふ紅葉のうへの霧はれて峯たしかなる嵐山かな(藤原定家)

241 :名無氏物語:2009/09/29(火) 09:34:43 ID:v2OgB3/J
及びがたく高きすがたをあらはして山といふ名はありはじめけり(京極為兼)

242 :名無氏物語:2009/09/29(火) 09:35:43 ID:v2OgB3/J
思ひ入る心の色も暮ごとに遠ざかるなり山はうごかで(正徹)

243 :名無氏物語:2009/09/29(火) 09:36:51 ID:v2OgB3/J
美豆山の青垣山の榊葉の茂みが奥に吾が魂こもる(橘曙覧)

244 :名無氏物語:2009/09/29(火) 10:04:05 ID:v2OgB3/J
昼行きし川にしあれど夕されば静けくゆたに新しきごと(田安宗武)

245 :名無氏物語:2009/09/29(火) 10:05:05 ID:v2OgB3/J
武蔵野や行けども秋の果てぞなきいかなる風か末に吹くらむ(源通光)

246 :名無氏物語:2009/09/29(火) 10:06:03 ID:v2OgB3/J
こまかなる星の光はみな消えて霞み残せる夜はの夕星(正徹)

247 :名無氏物語:2009/09/29(火) 10:19:52 ID:v2OgB3/J
さやけしなその名もしるく夕星の暮れあへぬ空に顕るる光(冷泉為村)

248 :名無氏物語:2009/09/29(火) 10:24:18 ID:v2OgB3/J
けふの日ものどけさしるく東雲の霞ににほふ明星の光(橘千蔭)

249 :名無氏物語:2009/09/29(火) 10:28:43 ID:v2OgB3/J
風ふけば空なる星も灯のうごくがごとくひかる夜半かな(大隈言道)

250 :名無氏物語:2009/09/29(火) 10:29:30 ID:v2OgB3/J
天霧りあひ雪ふりたえぬ東路の佐野の舟橋たれにとはまし(藤原公実)

251 :名無氏物語:2009/09/29(火) 10:31:06 ID:v2OgB3/J
うき世にはかくる心はなけれどもわが山河に橋なくはあらず(熊谷直好)

252 :名無氏物語:2009/09/29(火) 10:32:40 ID:v2OgB3/J
大海の磯もとどろに寄する浪われてくだけて裂けて散るかも(源実朝)

253 :名無氏物語:2009/09/29(火) 10:35:40 ID:v2OgB3/J
わたつ海の浪の花をば染めかねて八十島とほく雲ぞ時雨るる(後鳥羽院)

254 :名無氏物語:2009/09/29(火) 11:06:37 ID:v2OgB3/J
遠く行く人をおくりてやすらへば堤の柳うちかすみつつ(木下幸文)

255 :名無氏物語:2009/09/29(火) 11:11:04 ID:v2OgB3/J
町くだりよろぼひ行きて世を見れば物のことわりみな知られけり(慈円)

256 :名無氏物語:2009/09/29(火) 11:11:46 ID:v2OgB3/J
後の世にこの身をかへて捨てしよりなかなか市の中もいとはず(頓阿)

257 :名無氏物語:2009/09/29(火) 11:12:42 ID:v2OgB3/J
独りすむ市の仮屋の月かげに世わたる人のあはれをぞ知る(肖柏)

258 :名無氏物語:2009/09/29(火) 11:13:57 ID:v2OgB3/J
手すさびのはかなき物をもちいでてうるまの市に立つぞわびしき(蓮月)

259 :名無氏物語:2009/09/29(火) 11:14:54 ID:v2OgB3/J
山もとの竹よりおくに家居して田面をかよふ道の一すぢ(冷泉為相)

260 :名無氏物語:2009/09/29(火) 11:16:02 ID:v2OgB3/J
さそふとも稲葉にさむき初霜よからずは何の夢の秋風(正徹)

261 :名無氏物語:2009/09/29(火) 11:17:05 ID:v2OgB3/J
庵しめて住める田面のあぜつたひめぐれば遠し近き隣も(岡本宗好)

262 :名無氏物語:2009/09/30(水) 01:23:50 ID:tKY1sGCW
宵々の卯の花月夜ほととぎす田舎ははやく夏めきにけり(井上文雄)

263 :名無氏物語:2009/09/30(水) 01:28:15 ID:tKY1sGCW
うらうらと死なむずるなと思ひとけば心のやがてさぞとこたふる(西行)

264 :名無氏物語:2009/09/30(水) 01:29:14 ID:tKY1sGCW
わが心ただ花のみを幻とおもひわくれば乱れてぞ散る(心敬)

265 :名無氏物語:2009/09/30(水) 01:30:31 ID:tKY1sGCW
種となる人の心のいつもあらば昔におよべやまとことのは(京極為兼)

266 :名無氏物語:2009/09/30(水) 01:32:14 ID:tKY1sGCW
世の中にあはぬ調べはさもあらばあれ心にかよふ峯の松風(香川景樹)

267 :名無氏物語:2009/09/30(水) 01:33:38 ID:tKY1sGCW
吹きはらふ紅葉のうへの霧はれて峯たしかなる嵐山かな(藤原定家)

268 :名無氏物語:2009/09/30(水) 01:34:54 ID:tKY1sGCW
及びがたく高きすがたをあらはして山といふ名はありはじめけり(京極為兼)

269 :名無氏物語:2009/09/30(水) 01:36:07 ID:tKY1sGCW
入相は檜原の奧にひびきそめて霧にこもれる山ぞ暮れゆく(足利尊氏)

270 :名無氏物語:2009/09/30(水) 01:51:30 ID:tKY1sGCW
思ひ入る心の色も暮ごとに遠ざかるなり山はうごかで(正徹)

271 :名無氏物語:2009/09/30(水) 01:52:55 ID:tKY1sGCW
いちじるき神の御稜威の雄徳山しらべも高き峰の松風(蓮月)

272 :名無氏物語:2009/09/30(水) 02:35:48 ID:tKY1sGCW
美豆山の青垣山の榊葉の茂みが奥に吾が魂こもる(橘曙覧)

273 :名無氏物語:2009/09/30(水) 02:38:17 ID:tKY1sGCW
わびつつは顕れてだにうちなげき思ふばかりも人を恋はばや(藤原家隆)

274 :名無氏物語:2009/09/30(水) 02:39:31 ID:tKY1sGCW
あけてこそ見むと思ひし筥崎の波間にかすむ松の村立(香川景樹)

275 :名無氏物語:2009/09/30(水) 02:42:54 ID:tKY1sGCW
夏草の野島が崎の朝凪にあまの乙女子玉藻かる見ゆ(飛鳥井雅有)

276 :名無氏物語:2009/09/30(水) 02:44:20 ID:tKY1sGCW
都おもふ野島が崎の旅衣ひもふきかへす秋のうら風(行意)

277 :名無氏物語:2009/09/30(水) 02:45:08 ID:tKY1sGCW
すずきつる海人とだによも人は見じあるにもあらで旅をこしかば(宗尊親王)

278 :名無氏物語:2009/09/30(水) 03:11:59 ID:50AbXPFY
あかあかやあかあかあかやあかあかやあかやあかあかあかあかや月(明恵)

279 :名無氏物語:2009/09/30(水) 08:06:04 ID:tKY1sGCW
あけわたる明石のとより見渡せば浦ぢの霧に島隠れつつ(藤原為家)

280 :名無氏物語:2009/09/30(水) 08:08:49 ID:tKY1sGCW
ともしびのあかしの門より見渡せばやまと島辺は霞かをれり(田安宗武)

281 :名無氏物語:2009/09/30(水) 08:09:42 ID:tKY1sGCW
網代木にこほればやがてくだくなり八十宇治川の水の白波(藤原家隆)

282 :名無氏物語:2009/09/30(水) 08:11:33 ID:tKY1sGCW
つきせじな八十宇治川の網代守よる年波のひをかぞふとも(藤原家隆)

283 :名無氏物語:2009/09/30(水) 08:12:28 ID:tKY1sGCW
あじろ木や波のきりまに袖見えて八十氏人は今かとふらん(藤原定家)

284 :名無氏物語:2009/09/30(水) 08:15:55 ID:tKY1sGCW
ふりし世をいかにしのべとあふみの海夕波千鳥今も鳴くらむ(加藤枝直)

285 :名無氏物語:2009/09/30(水) 08:17:00 ID:tKY1sGCW
あもりつく香具山見ればひさかたの天に有りけむ神世しおもほゆ(本居宣長)

286 :名無氏物語:2009/09/30(水) 08:18:19 ID:bI9OBPsF
玉藻かる野島が崎の夏草に人もすさめぬ露ぞこぼるる(藻壁門院少将[新後撰])

287 :名無氏物語:2009/09/30(水) 08:19:05 ID:bI9OBPsF
うちなびく野島が崎の夏草に夕波かけて浦風ぞ吹く(宗尊親王[新続古今])

288 :名無氏物語:2009/09/30(水) 08:24:21 ID:bI9OBPsF
夕凪に明石のとより見わたせば大和島根をいづる月影(西園寺実氏[新勅撰])

289 :名無氏物語:2009/10/01(木) 00:36:16 ID:3mWrBPtY
みくま野の浦の浜木綿夕されば我もひとへに恨みやはせし(藤原兼輔)

290 :名無氏物語:2009/10/01(木) 00:37:42 ID:3mWrBPtY
よろづ代とみ熊野の浦の浜木綿のかさねてもなほつきせざるべし(後鳥羽院)

291 :名無氏物語:2009/10/01(木) 00:39:02 ID:3mWrBPtY
あま雲や人は心をみくまののうらの浜ゆふいくへならぬを(三条西実隆)

292 :名無氏物語:2009/10/01(木) 00:39:43 ID:3mWrBPtY
わぎもこが袖ふる山の桜花昔にかへる春風ぞ吹く(藤原家隆)

293 :名無氏物語:2009/10/01(木) 00:40:42 ID:3mWrBPtY
ながめてもいかにかもせむわぎもこが袖ふる山の春の曙(後鳥羽院)

294 :名無氏物語:2009/10/01(木) 00:42:55 ID:3mWrBPtY
わぎもこが袖ふる山のうす紅葉それかとまがふ秋の夕暮(後鳥羽院)

295 :名無氏物語:2009/10/01(木) 00:44:37 ID:3mWrBPtY
いとはやもすずしき風かをとめごが袖ふる山に秋たつらしも(後二条院)

296 :名無氏物語:2009/10/01(木) 00:46:23 ID:3mWrBPtY
別れ来てかへりみすれば吉野山山ぞかくさふなびけこの山(本居宣長)

297 :名無氏物語:2009/10/01(木) 00:56:44 ID:3mWrBPtY
石見潟たかつの山に雲はれてひれふる峰をいづる月影(後鳥羽院)

298 :名無氏物語:2009/10/01(木) 00:58:30 ID:3mWrBPtY
草枕夕露はらふ笹の葉のみ山もさやにいく夜しほれぬ(藤原定家)

299 :名無氏物語:2009/10/01(木) 01:37:37 ID:3mWrBPtY
ささ枕み山もさやに照る月の千世もふばかり影のひさしさ(藤原定家)

300 :名無氏物語:2009/10/01(木) 01:39:03 ID:3mWrBPtY
この山は夕露ふかき笹の葉の都もよそに乱れてぞ思ふ(藤原家隆)

301 :名無氏物語:2009/10/01(木) 01:40:16 ID:3mWrBPtY
笹の葉に霰さやぎてみ山べの嶺の木枯らししきりて吹きぬ(源実朝)

302 :名無氏物語:2009/10/01(木) 01:42:16 ID:3mWrBPtY
さざ波の志賀の大わだよどめりし恨もなしやこよひあふみは(橘千蔭)

303 :名無氏物語:2009/10/01(木) 01:45:45 ID:3mWrBPtY
ふじ川の絶ゆることなく行きかへり見るとも飽かじ雪の高嶺は(契沖)

304 :名無氏物語:2009/10/01(木) 01:47:58 ID:3mWrBPtY
いはばしる滝つ山川とこなめに絶ゆることなく逢ふよしもがな(賀茂真淵)

305 :名無氏物語:2009/10/01(木) 01:49:25 ID:3mWrBPtY
みくまりの神のさきはふ命あらば又かへりみむみ吉野の山(本居宣長)

306 :名無氏物語:2009/10/01(木) 01:51:25 ID:3mWrBPtY
をとめごが玉ものすそに満つしほのひかりをよする浦の月かげ(藤原家隆)

307 :名無氏物語:2009/10/01(木) 14:42:03 ID:3mWrBPtY
をみの浦の玉ものすそに満つしほのひるまばかりの程だにもなし(藤原秀能)

308 :名無氏物語:2009/10/01(木) 14:43:27 ID:3mWrBPtY
はるひの春日の野辺にけふもかも里のをとめら菫摘むらん(田安宗武)

309 :名無氏物語:2009/10/01(木) 14:45:41 ID:3mWrBPtY
神島の磯間は西に打見えてかへりみすれば玉の浦みゆ(平賀元義)

310 :名無氏物語:2009/10/01(木) 14:47:48 ID:3mWrBPtY
かげろふのたち野の真柴をりしきてかへり見すれば花散りにけり(加納諸平)

311 :名無氏物語:2009/10/01(木) 14:48:51 ID:3mWrBPtY
もつれ合う内部湛えて酒を飲む東に炎の立つ夜明けまで(佐佐木幸綱)

312 :名無氏物語:2009/10/01(木) 14:54:03 ID:3mWrBPtY
かきつはた衣に摺り付けますらをの着そひ狩する月は来にけり(大伴家持)

313 :名無氏物語:2009/10/01(木) 14:56:07 ID:3mWrBPtY
うべしこそ桜は花の君なれや天つ霞を衣笠にせり(賀茂季鷹)

314 :名無氏物語:2009/10/01(木) 14:56:56 ID:3mWrBPtY
山城の美豆野の里に妹をおきていくたび淀に舟よばふらん(源頼政)

315 :名無氏物語:2009/10/01(木) 15:24:35 ID:3mWrBPtY
雲の波かけてもよると見えぬかなあたりを払ふ月のみ船は(待賢門院堀河)

316 :名無氏物語:2009/10/01(木) 15:25:27 ID:3mWrBPtY
ほのかにもあけゆく星の林まで秋の光と見れば身にしむ(荷田春満)

317 :名無氏物語:2009/10/01(木) 15:28:15 ID:3mWrBPtY
天の海の月のみ舟を名ぐはしき大湊べにきみ見るらむか(荷田蒼生子)

318 :名無氏物語:2009/10/01(木) 15:35:34 ID:3mWrBPtY
桜ちる木の本見れば久方の星の林に我は来にけり(上田秋成)

319 :名無氏物語:2009/10/01(木) 15:38:34 ID:3mWrBPtY
かざし折る三輪の檜原の木の間よりひれふる花や神の八乙女(藤原清輔)

320 :名無氏物語:2009/10/01(木) 15:55:01 ID:3mWrBPtY
神さぶるみわの檜原に立ちまじりかざし折りけむむかしとはばや(橘千蔭)

321 :名無氏物語:2009/10/01(木) 15:55:47 ID:3mWrBPtY
荒魂の淡海県の物語廃帝ののち生れたりしか(山中智恵子)

322 :名無氏物語:2009/10/01(木) 15:56:31 ID:3mWrBPtY
ひさかたの雲居に春のたちぬれば空にぞかすむあまのかご山(藤原良経)

323 :名無氏物語:2009/10/01(木) 15:57:18 ID:3mWrBPtY
月影のそれかあらぬかかげろふのほのかにみえて雲がくれにし(源実朝)

324 :名無氏物語:2009/10/01(木) 15:58:12 ID:3mWrBPtY
吉野川もみぢ葉ながる滝のうへのみふねの山に嵐吹くらし(源実朝)

325 :名無氏物語:2009/10/01(木) 16:00:31 ID:3mWrBPtY
山陰や山鳥の尾のながきよを我ひとりかもあかしかねつつ(慈円)

326 :名無氏物語:2009/10/01(木) 16:02:00 ID:3mWrBPtY
花みつつけふもくらしつ足引の山鳥の尾の長き日影を(藤原家隆)

327 :名無氏物語:2009/10/01(木) 16:02:49 ID:3mWrBPtY
山鳥のすゑをの里もふしわびぬ竹の葉しだり長き夜の霜(藤原家隆)

328 :名無氏物語:2009/10/01(木) 18:03:06 ID:3mWrBPtY
秋はまだ遠山鳥のしだり尾のあまりてをしき有明の空(藤原家隆)

329 :名無氏物語:2009/10/01(木) 18:05:02 ID:3mWrBPtY
うかりける山鳥の尾の独り寝に秋ぞ契りし長き夜半とも(藤原定家)

330 :名無氏物語:2009/10/01(木) 18:06:45 ID:3mWrBPtY
ふるさとは遠山鳥の尾のへより霜置く鐘の長き夜の空(藤原定家)

331 :名無氏物語:2009/10/01(木) 18:09:10 ID:3mWrBPtY
なきぬなり木綿付け鳥のしだり尾のおのれにも似ぬ夜半の短さ(藤原定家)

332 :名無氏物語:2009/10/01(木) 18:10:34 ID:3mWrBPtY
しぐるらし紅葉の錦しきしまの山どりのをのなが月の空(後二条院)

333 :名無氏物語:2009/10/01(木) 18:12:40 ID:3mWrBPtY
ねをかけよ鳴くや軒ばの山鳥のしだり尾ながきあやめをぞふく(正徹)

334 :名無氏物語:2009/10/01(木) 18:14:06 ID:3mWrBPtY
たへてすむ山鳥の尾のながき夜もいづらは月のあかず更けぬる(木下長嘯子)

335 :名無氏物語:2009/10/01(木) 22:43:16 ID:3mWrBPtY
奧山の岩垣沼に木の葉おちてしづめる心人しるらめや(源実朝)

336 :名無氏物語:2009/10/01(木) 22:52:41 ID:3mWrBPtY
恋ひ死なば恋ひも死ねとや思ふらむ逢はば逢ふべき程のすぎぬる(藤原教長)

337 :名無氏物語:2009/10/01(木) 22:53:25 ID:3mWrBPtY
荒ち男の狩る矢のさきに猛る猪も人の憂きにぞ身をば棄つなる(宗良親王)

338 :名無氏物語:2009/10/01(木) 22:55:04 ID:3mWrBPtY
幾度か言ひはなちつる荒ち男の狩る矢のさきに身を忘るらむ(武者小路実陰)

339 :名無氏物語:2009/10/01(木) 22:56:18 ID:3mWrBPtY
ほととぎすなくや雲まの夕月夜はつ卯の花のかげやしのばむ(順徳院)

340 :名無氏物語:2009/10/01(木) 22:57:15 ID:3mWrBPtY
やたの野に霰ふりきぬあらち山嵐も寒く色かはるまで(家隆)

341 :名無氏物語:2009/10/01(木) 23:19:18 ID:3mWrBPtY
あらち山やたのの野べも春めきぬ峰のあは雪きえやしぬらむ(後鳥羽院)

342 :名無氏物語:2009/10/01(木) 23:20:05 ID:3mWrBPtY
あらち山みねのあは雪ふるままにやたのの浅茅うちしぐれつつ(九条道家)

343 :名無氏物語:2009/10/01(木) 23:21:16 ID:3mWrBPtY
あらち山みねのあは雪きえなくにやたの野原は若菜つみけり(飛鳥井雅有)

344 :名無氏物語:2009/10/01(木) 23:22:13 ID:3mWrBPtY
あらち山峰の白雪やたののに浅ぢをかけてうづむ比かな(正徹)

345 :名無氏物語:2009/10/01(木) 23:23:23 ID:3mWrBPtY
朝戸あくる袖にさえ来てあらち山はらふばかりの峰のあは雪(宗祇)

346 :名無氏物語:2009/10/01(木) 23:24:29 ID:3mWrBPtY
あらち山ふもとのあさぢ露のまにはやくもふれる峰の淡雪(三条西実隆)

347 :名無氏物語:2009/10/01(木) 23:27:04 ID:3mWrBPtY
風ふけば河ぞひ柳おきふしにみだれてなびく春の水かげ(平親清四女)

348 :名無氏物語:2009/10/01(木) 23:35:56 ID:3mWrBPtY
夏草はむすぶばかりになりにけり野飼ひし駒やあくがれぬらむ(源重之)

349 :名無氏物語:2009/10/01(木) 23:37:19 ID:3mWrBPtY
さざ浪や志賀の都はあれにしを昔ながらの山ざくらかな(平忠度)

350 :名無氏物語:2009/10/01(木) 23:40:00 ID:3mWrBPtY
霧はるる紅葉にまがふ山本のあけのそほ舟こがれてぞ行く(藤原家隆)

351 :名無氏物語:2009/10/02(金) 00:03:07 ID:d2ms7uco
山もとのあけのそほ船ほのぼのとこぎいづる沖は霧こめてけり(藤原良経)

352 :名無氏物語:2009/10/02(金) 00:03:54 ID:d2ms7uco
山もとのあけのそほ舟紅葉ばに色わかれゆく秋のうらかぜ(心敬)

353 :名無氏物語:2009/10/02(金) 00:05:25 ID:d2ms7uco
若の浦に潮満ち来れば潟をなみ葦辺をさして鶴鳴きわたる(山部赤人)

354 :名無氏物語:2009/10/02(金) 00:06:10 ID:d2ms7uco
見わたせば穂の上にきらふさくら田へ雁なきわたる秋の夕暮(賀茂真淵)

355 :名無氏物語:2009/10/02(金) 00:06:53 ID:d2ms7uco
行末も知られざりけり高島や勝野の原の雪の曙(藤原季経)

356 :名無氏物語:2009/10/02(金) 00:18:07 ID:d2ms7uco
旅衣露のけわぶる夏草にかちのの原は日もくれにけり(藤原為家)

357 :名無氏物語:2009/10/02(金) 00:19:14 ID:d2ms7uco
朝まだき霞みにけりな武庫の浦に出づる友舟かずかくれゆく(源師光)

358 :名無氏物語:2009/10/02(金) 00:20:09 ID:d2ms7uco
菅の根や日影も長くなるままに結ぶばかりにしげる夏草(藤原定家)

359 :名無氏物語:2009/10/02(金) 00:21:16 ID:d2ms7uco
夏ふかき野中の清水うづもれて結ぶばかりに草ぞしげれる(頓阿)

360 :名無氏物語:2009/10/02(金) 00:22:09 ID:d2ms7uco
庭のおもは結ぶばかりにしげりあふ草のふもとに匂ふ橘(正徹)

361 :名無氏物語:2009/10/02(金) 08:42:49 ID:d2ms7uco
世の憂きも人の辛さも思はねば老の末こそのどかなりけれ(肖柏)

362 :名無氏物語:2009/10/02(金) 08:43:53 ID:d2ms7uco
しら雪の猶かきくらしふるさとの吉野のおくも春は来にけり(嘉喜門院)

363 :名無氏物語:2009/10/02(金) 08:45:02 ID:d2ms7uco
かきくらしなほふる郷のみよし野はいつの雪間に春の来ぬらむ(貞常親王)

364 :名無氏物語:2009/10/02(金) 08:46:22 ID:d2ms7uco
枯るるより刈りもはらはぬ道みえて雪に跡ある野べの草むら(後水尾院)

365 :名無氏物語:2009/10/02(金) 08:52:22 ID:d2ms7uco
鵜飼舟月もをぐらの山かげに闇をしたひてかがりさすなり(一条兼良)

366 :名無氏物語:2009/10/02(金) 08:54:13 ID:d2ms7uco
見わたせば浪もゆるがぬ夏の日に松かげ遠き磯のほそ道(後鳥羽院宮内卿)

367 :名無氏物語:2009/10/02(金) 17:09:01 ID:d2ms7uco
思ふことさしてそれとはなけれども秋にはそふる心ちこそすれ(源道済)

368 :名無氏物語:2009/10/02(金) 17:10:29 ID:d2ms7uco
天の川もみぢの橋やわたすらむ色づく西の夕暮の空(後鳥羽院宮内卿)

369 :名無氏物語:2009/10/02(金) 17:12:06 ID:d2ms7uco
月きよみ竹の葉しろくふる雪はそよぐ風にもこぼれざりけり(殷富門院大輔)

370 :名無氏物語:2009/10/02(金) 17:12:52 ID:d2ms7uco
わすれじの人の心の限をもみ山の里のけさのしら雪(肖柏)

371 :名無氏物語:2009/10/02(金) 17:13:48 ID:d2ms7uco
つれづれと空ぞ見らるる思ふ人天くだり来んものならなくに(和泉式部)

372 :名無氏物語:2009/10/02(金) 17:15:36 ID:d2ms7uco
さても又慰むやとてながむべきそなたの空も薄がすみつつ(後鳥羽院宮内卿)

373 :名無氏物語:2009/10/02(金) 17:16:55 ID:d2ms7uco
すさめねど心のかぎりおひたるは人しらぬまのあやめなりけり(和泉式部)

374 :名無氏物語:2009/10/02(金) 17:40:09 ID:d2ms7uco
落ちつもる涙の露はさよ衣さえても袖にみえけるものを(後鳥羽院宮内卿)

375 :名無氏物語:2009/10/02(金) 17:42:08 ID:d2ms7uco
わが恋は人しらぬまのうきぬなはくるしやいとどみごもりにして(俊恵)

376 :名無氏物語:2009/10/02(金) 17:43:14 ID:d2ms7uco
聞くやいかに嵐の音もくれ竹のふしみの里の秋の夜の月(信覚)

377 :名無氏物語:2009/10/02(金) 18:03:51 ID:d2ms7uco
秋風にただよふ雲のたえまよりもれ出づる月の影のさやけさ(藤原顕輔)

378 :名無氏物語:2009/10/02(金) 18:14:20 ID:d2ms7uco
時は今は冬になりぬとしぐるめりとほき山べに雲のかかれる(宗尊親王)

379 :名無氏物語:2009/10/02(金) 18:15:20 ID:d2ms7uco
時は今はまだき木の芽も春の色に霞のそむる四方の山かな(中院通村)

380 :名無氏物語:2009/10/02(金) 18:17:20 ID:d2ms7uco
つつめども袖よりほかにこぼれいでてうしろめたきは涙なりけり(西行)

381 :名無氏物語:2009/10/02(金) 18:18:29 ID:d2ms7uco
紅葉散ることやわびしきみ熊野の山のあらしに鹿ぞ啼くなる(慈円)

382 :名無氏物語:2009/10/02(金) 18:19:52 ID:d2ms7uco
ねにたてて秋の夜かこつきりぎりす長き寝覚の枕にぞ聞く(藤原為家)

383 :名無氏物語:2009/10/02(金) 18:20:55 ID:d2ms7uco
しるべなきおきつの浜になくたづのゑをあはれと神はきかなむ(兼好)

384 :名無氏物語:2009/10/02(金) 18:21:59 ID:d2ms7uco
春といへば今はの心つくからに峯をはるかに帰る雁がね(藤原隆信)

385 :名無氏物語:2009/10/02(金) 18:23:12 ID:d2ms7uco
忘れずよ今はの心つくばねの峯の嵐に有明の月(藤原家隆)

386 :名無氏物語:2009/10/02(金) 18:24:51 ID:1wmBRc0k
世の中を今はの心つくからに過ぎにしかたぞいとど恋しき(慈円[新古今])

387 :名無氏物語:2009/10/02(金) 19:41:11 ID:d2ms7uco
しののめも思ひならひぬ暮れぬとていまはの心花につくより(契沖)

388 :名無氏物語:2009/10/02(金) 19:42:21 ID:d2ms7uco
たづねても故郷人の見ぬ桜をしまぬ花に春風ぞ吹く(藤原家隆)

389 :名無氏物語:2009/10/02(金) 19:43:30 ID:d2ms7uco
待つ人はこじまのさきの春風に散らば散らなむ山吹の花(藤原為家)

390 :名無氏物語:2009/10/02(金) 19:44:13 ID:d2ms7uco
桜花散らば散らなむ遠つ神わがおほきみの衣笠の上に(加納諸平)

391 :名無氏物語:2009/10/02(金) 19:45:35 ID:d2ms7uco
月影もすめばすみけり白雲の絶えずたなびく峰の木枯らし(藤原家隆)

392 :名無氏物語:2009/10/02(金) 19:46:38 ID:d2ms7uco
夢かとも里の名のみやのこるらむ雪も跡なき小野のあさぢふ(藤原定家)

393 :名無氏物語:2009/10/02(金) 19:47:42 ID:d2ms7uco
世を憂しと思はざりけむ昔こそ此頃よりもはかなかりけれ(雅成親王)

394 :名無氏物語:2009/10/02(金) 19:48:44 ID:d2ms7uco
月もいかにあはれとや思ふわれ昔桂をりてし一もとゆゑに(藤原範光)

395 :名無氏物語:2009/10/02(金) 19:57:47 ID:d2ms7uco
世にしげき言の葉ぐさを吹きわけて家の風をも伝へてしがな(荷田春満)

396 :名無氏物語:2009/10/02(金) 19:58:57 ID:d2ms7uco
ながめつるけふは昔になりぬとも軒端の梅はわれを忘るな(式子内親王)

397 :名無氏物語:2009/10/02(金) 20:01:49 ID:d2ms7uco
出でていなば主なき宿となりぬとも軒端の梅よ春を忘るな(源実朝)

398 :名無氏物語:2009/10/02(金) 20:04:28 ID:d2ms7uco
うす氷けふとけそめつ東風ふかば池のこころも春をしれとや(飛鳥井雅親)

399 :名無氏物語:2009/10/02(金) 20:05:52 ID:d2ms7uco
沖つ風吹上の浜にたつ千鳥いさしら浪の花かあらぬか(藤原家隆)

400 :名無氏物語:2009/10/02(金) 20:07:14 ID:d2ms7uco
ゆゑもなし心にぞとふ春きての我が物おもひよ花かあらぬか(木下長嘯子)

401 :名無氏物語:2009/10/02(金) 20:08:20 ID:d2ms7uco
一こゑは手向の山のほととぎす幣もとりあへずあくる夜はかな(藤原家隆)

402 :名無氏物語:2009/10/02(金) 20:09:34 ID:d2ms7uco
手向してかひこそなけれ神な月もみぢはぬさと散りまがへども(藤原定家)

403 :名無氏物語:2009/10/02(金) 20:43:44 ID:d2ms7uco
秋萩のゆくての錦これもまたぬさもとりあへぬ手向にぞをる(藤原定家)

404 :名無氏物語:2009/10/02(金) 20:46:38 ID:d2ms7uco
たつ嵐いづれの神に手向山花の錦のかたもさだめず(藤原定家)

405 :名無氏物語:2009/10/02(金) 20:47:55 ID:d2ms7uco
風吹けばさくらの宮の神垣にぬさも取りあへず花や散るらむ(頓阿)

406 :名無氏物語:2009/10/02(金) 20:50:43 ID:d2ms7uco
神しうけばぬさもとりあへず手向けおく此ことのはも色や見えまし(正徹)

407 :名無氏物語:2009/10/02(金) 21:05:36 ID:d2ms7uco
とりあへず紅葉をぬさと手向山神のこころを神やうけけむ(契沖)

408 :名無氏物語:2009/10/02(金) 21:08:23 ID:d2ms7uco
しかりとてなみだの袖やきりたたむむすぶの神にぬさもとりあへず(加納諸平)

409 :名無氏物語:2009/10/02(金) 21:09:42 ID:d2ms7uco
いとはじや親のかふこのいぶせさもかかるふせやのならひと思へば(宗良親王)

410 :名無氏物語:2009/10/02(金) 21:11:24 ID:d2ms7uco
しづが屋の親のかふこが白妙にまゆひらけたる夕顔の花(正徹)

411 :名無氏物語:2009/10/02(金) 21:12:52 ID:d2ms7uco
いこま山むら雨とほくいづる月雲もかくさぬ嵐ふくらし(藤原家隆)

412 :名無氏物語:2009/10/02(金) 21:14:16 ID:d2ms7uco
ながむれば雲だにみえず生駒山いくへかかすみ春の明ぼの(源具親)

413 :名無氏物語:2009/10/02(金) 21:16:15 ID:d2ms7uco
いこま山雲のいにしへしらねどもはれぬしぐれにおもひわびつつ(後鳥羽院)

414 :名無氏物語:2009/10/02(金) 21:17:07 ID:d2ms7uco
へだつとてうらみぬ雲は伊駒山君があたりの桜なりけり(宗尊親王)

415 :名無氏物語:2009/10/02(金) 21:41:22 ID:d2ms7uco
君があたりそこともみえず生駒山雲をへだつる春のかすみに(藤原為理)

416 :名無氏物語:2009/10/02(金) 21:42:13 ID:d2ms7uco
いくへかは雲もへだつる伊駒山あたりぞみえぬ五月雨のころ(尭孝)

417 :名無氏物語:2009/10/02(金) 22:06:16 ID:d2ms7uco
忘れては雲やかくすと伊駒山うらみもすべきみねの雪かな(三条西実隆)

418 :名無氏物語:2009/10/02(金) 22:07:15 ID:d2ms7uco
うらむなよ雨はふるとも生駒山もみぢをいそぐ秋のひところ(三条西実隆)

419 :名無氏物語:2009/10/02(金) 22:08:43 ID:d2ms7uco
けふもまたながめやるかな生駒山たのまぬものの夕ぐれの空(木下長嘯子)

420 :名無氏物語:2009/10/02(金) 22:09:45 ID:d2ms7uco
君が代をたえせずてらせ五十鈴河われはみくづとしづみはつとも(宗良親王)

421 :名無氏物語:2009/10/02(金) 22:18:21 ID:d2ms7uco
旅の空うきていでにし野山にて道もやどりも月ぞともなふ(藤原為家)

422 :名無氏物語:2009/10/02(金) 22:19:23 ID:d2ms7uco
天つ空みちもやどりもしら雲の明くるもしらで月を見るかな(順徳院)

423 :名無氏物語:2009/10/02(金) 22:20:08 ID:d2ms7uco
旅の空うきたつ雲やわれならん道もやどりも嵐ふく比(宗良親王)

424 :名無氏物語:2009/10/02(金) 22:21:07 ID:d2ms7uco
みちのべの野原の柳したもえぬあはれ歎の煙くらべに(藤原定家)

425 :名無氏物語:2009/10/02(金) 22:22:01 ID:d2ms7uco
猶さゆる雪につつめるこゑながら梅がえわきてうぐひすぞ鳴く(後鳥羽院)

426 :名無氏物語:2009/10/02(金) 22:23:09 ID:d2ms7uco
道の辺の野原の柳したもえぬあはれ歎きの煙くらべに(藤原定家)

427 :名無氏物語:2009/10/02(金) 23:23:39 ID:d2ms7uco
われのみやさてもふりなむ道のべの朽ち木のやなぎ春めきにけり(藤原秀能)

428 :名無氏物語:2009/10/02(金) 23:24:57 ID:d2ms7uco
昔おもふ朽ち木の柳なにゆゑにみどりの髪をけづるなるらむ(土御門院)

429 :名無氏物語:2009/10/02(金) 23:26:19 ID:d2ms7uco
故郷の朽ち木の柳冬くればしぐるる色もしのばれぞする(順徳院)

430 :名無氏物語:2009/10/02(金) 23:27:14 ID:d2ms7uco
をかべなる朽ち木の柳さすが猶春とばかりの色は見えけり(伏見院)

431 :名無氏物語:2009/10/02(金) 23:31:11 ID:d2ms7uco
ふきそめぬ柳にしるき時つ風なびくを春の初しほにして(後西院)

432 :名無氏物語:2009/10/02(金) 23:32:02 ID:d2ms7uco
草も木も西吹く風にくる秋のみにしむいろを初しほにして(姉小路基綱)

433 :名無氏物語:2009/10/02(金) 23:33:35 ID:d2ms7uco
わが為はつむもひろふもしるしなき恋わすれ草恋わすれ貝(下河辺長流)

434 :名無氏物語:2009/10/02(金) 23:35:55 ID:d2ms7uco
葦鶴の声をほにあげて我が恋はあまの川原に今ぞふなづる(賀茂保憲女)

435 :名無氏物語:2009/10/03(土) 00:47:28 ID:pOFqy7RQ
焔だつ詩歌棄てなむ初霜にうるむ桔梗のさみなしにあはれ(塚本邦雄)

436 :名無氏物語:2009/10/03(土) 00:48:20 ID:pOFqy7RQ
さみなしにあはれ風鐸鳴りいでて天秋秘色悲慕ぶことあり(山中智恵子)

437 :名無氏物語:2009/10/03(土) 00:49:19 ID:pOFqy7RQ
角田川つつみの桜人ならば笠きせましを蓑かさましを(橘千蔭)

438 :名無氏物語:2009/10/03(土) 00:50:14 ID:pOFqy7RQ
美豆山の青垣山の神樹葉の茂みが奥に吾が魂こもる(橘曙覧)

439 :名無氏物語:2009/10/03(土) 00:51:44 ID:pOFqy7RQ
初雁も声をほにあげて慕ひきぬ天の戸渡る月のみ舟を(後水尾院)

440 :名無氏物語:2009/10/03(土) 00:52:40 ID:pOFqy7RQ
行きかへる潮路は八重の霧の中に声を帆にあげてうたふ舟人(武者小路実陰)

441 :名無氏物語:2009/10/03(土) 00:53:29 ID:pOFqy7RQ
春来ぬとけさ告げ渡る鶯は涙の氷まづやとけぬる(俊恵)

442 :名無氏物語:2009/10/03(土) 00:54:33 ID:pOFqy7RQ
鶯のこほれる涙とけぬれば花の上にや露とおくらむ(二条院讃岐)

443 :名無氏物語:2009/10/03(土) 00:54:48 ID:4J0zhmMn
榊葉にふるしら雪はきえぬめり神の心も今やとくらむ(藤原伊房[後拾遺])

444 :名無氏物語:2009/10/03(土) 00:55:51 ID:4J0zhmMn
年暮れし涙のつららとけにけり苔の袖にも春やたつらむ(藤原俊成[新古今])

445 :名無氏物語:2009/10/03(土) 01:07:02 ID:pOFqy7RQ
鶯のこほれる涙とけぬれば花の上にや露とおくらむ(二条院讃岐)

446 :名無氏物語:2009/10/03(土) 01:07:55 ID:pOFqy7RQ
鶯の涙の氷いつとけて今朝は雪まの梅のはつ花(藤原家隆)

447 :名無氏物語:2009/10/03(土) 01:09:11 ID:pOFqy7RQ
鶯の氷れる涙とけぬれどなほ我が袖はむすぼほれつつ(藤原良経)

448 :名無氏物語:2009/10/03(土) 01:13:56 ID:pOFqy7RQ
春きぬと涙ばかりやとけぬらむ谷の雪まをいづる鶯(藤原為家)

449 :名無氏物語:2009/10/03(土) 01:15:16 ID:pOFqy7RQ
鶯のなみだの雨も紅に落ちそふ梅の花のした露(正徹)

450 :名無氏物語:2009/10/03(土) 01:16:28 ID:pOFqy7RQ
ときやらで涙の滝もつららゐぬ身を鶯の春の山かぜ(正徹)

451 :名無氏物語:2009/10/03(土) 01:17:46 ID:pOFqy7RQ
恋ひ恋ひてまた一とせも暮れにけり涙の氷あすやとけなむ(祇園梶子)

452 :名無氏物語:2009/10/03(土) 01:18:42 ID:pOFqy7RQ
河上の浅篠原の葉ごもりに鶯なくや氷とくらむ(香川景樹)

453 :名無氏物語:2009/10/03(土) 01:31:29 ID:pOFqy7RQ
あさみどり露の玉のをぬきもあへず柳のいとに春雨ぞふる(藤原定家)

454 :名無氏物語:2009/10/03(土) 01:32:38 ID:pOFqy7RQ
今よりはみどり色そふ青柳の糸よりかけて春雨ぞふる(正徹)

455 :名無氏物語:2009/10/03(土) 02:01:02 ID:pOFqy7RQ
露の色を玉にもぬける青柳の枝をもうつす花の匂に(後柏原天皇)

456 :名無氏物語:2009/10/03(土) 02:02:20 ID:pOFqy7RQ
こぼさじと月かげながら白露を玉にもぬけるいとすすきかな(木下長嘯子)

457 :名無氏物語:2009/10/03(土) 02:05:03 ID:pOFqy7RQ
香をだにと思ひし花の霞より色をもおくる春の山風(慈円)

458 :名無氏物語:2009/10/03(土) 02:06:32 ID:pOFqy7RQ
いそのかみふるの山べの桜花こぞみし花の色やのこれる(藤原季方)

459 :名無氏物語:2009/10/03(土) 02:07:50 ID:pOFqy7RQ
いそのかみ布留の山べの山おろし幾重の春の花さそひきぬ(後鳥羽院)

460 :名無氏物語:2009/10/03(土) 02:09:37 ID:pOFqy7RQ
昔より植ゑけむ時を人しれず花にふりぬるいそのかみ寺(宮内卿)

461 :名無氏物語:2009/10/03(土) 02:20:14 ID:pOFqy7RQ
朝夕のなるるたぶさにささげても心のままに花たてまつる(藤原雅経)

462 :名無氏物語:2009/10/03(土) 02:21:05 ID:pOFqy7RQ
このもとの紅葉の錦たてながら道のたよせに幣たてまつる(源家長)

463 :名無氏物語:2009/10/03(土) 02:22:11 ID:pOFqy7RQ
たてながらみよの仏にたてまつる花かもをるな春の山人(後鳥羽院)

464 :名無氏物語:2009/10/03(土) 02:23:30 ID:pOFqy7RQ
この心天つ空にも花そなふ三世の仏に奉らばや(道元)

465 :名無氏物語:2009/10/03(土) 08:46:25 ID:pOFqy7RQ
この寺に三世の仏やすむ月もちらすひかりを花たてまつる(後花園院)

466 :名無氏物語:2009/10/03(土) 08:47:28 ID:pOFqy7RQ
鉢之子に菫たんぽぽこきまぜて三世の仏にたてまつりてむ(良寛)

467 :名無氏物語:2009/10/03(土) 08:51:40 ID:pOFqy7RQ
みる人をなどやかへさぬ藤の花はひまつはれよとかばをしへし(源頼政)

468 :名無氏物語:2009/10/03(土) 08:57:48 ID:pOFqy7RQ
心すむ池のみぎはの蓮こそにごりにしまぬ色も見えけれ(慈円)



469 :名無氏物語:2009/10/03(土) 08:58:40 ID:pOFqy7RQ
露の身を玉ともなさむはちす葉のにごりにしまぬわが心より(慈円)

470 :名無氏物語:2009/10/03(土) 08:59:28 ID:pOFqy7RQ
夏の池にもとよりたねのあればこそにごりにしまぬ花もさくらめ(慈円)

471 :名無氏物語:2009/10/03(土) 09:58:18 ID:pOFqy7RQ
露をさへ玉とあざむくはちす葉のにごりにしまぬ夏の夜の月(藤原雅経)

472 :名無氏物語:2009/10/03(土) 09:59:12 ID:pOFqy7RQ
はちす葉の露のしら玉みがくれてにごりにしまぬ夏の池水(土御門院)

473 :名無氏物語:2009/10/03(土) 10:00:03 ID:pOFqy7RQ
池水のにごりにしまぬ色みえてしげるはちすにみがく白玉(藤原為家)

474 :名無氏物語:2009/10/03(土) 10:01:00 ID:pOFqy7RQ
暮るるまもたのまれぬ身の命にてなにかは露をあだに見るべき(宗尊親王)

475 :名無氏物語:2009/10/03(土) 10:01:58 ID:pOFqy7RQ
蓮葉のかげにならびてたつ鷺もにごりにしまぬ雪の毛衣(木下長嘯子)

476 :名無氏物語:2009/10/03(土) 10:03:19 ID:pOFqy7RQ
風こえてちるぞ涼しき蓮葉になにかは露を玉とのみ見む(本居宣長)

477 :名無氏物語:2009/10/03(土) 23:19:59 ID:pOFqy7RQ
きみをわれ恋ひそめしより名にめでてあふ坂山はゆかぬ日ぞなき(慈円)

478 :名無氏物語:2009/10/03(土) 23:21:21 ID:pOFqy7RQ
手折るとも人にかたるな山吹の花にわけくる露はおちにき(正徹)

479 :名無氏物語:2009/10/03(土) 23:22:25 ID:pOFqy7RQ
故郷の主の涙やおきつらむ庭もまがきも秋のしら露(慈円)

480 :名無氏物語:2009/10/03(土) 23:23:16 ID:pOFqy7RQ
をぎのはに庭も籬もうづもれてあはれ荒行く風の音かな(藤原家隆)

481 :名無氏物語:2009/10/03(土) 23:24:56 ID:pOFqy7RQ
声ばかり木の葉の雨はふる里の庭もまがきも月のはつ霜(藤原定家)

482 :名無氏物語:2009/10/03(土) 23:26:18 ID:pOFqy7RQ
あだ人の心よりまづあれそめて庭もまがきも野べの秋風(藤原有家)

483 :名無氏物語:2009/10/03(土) 23:39:15 ID:pOFqy7RQ
里はあれて庭も籬も秋の露やどりなれたる月の影かな(俊成卿女)

484 :名無氏物語:2009/10/03(土) 23:40:24 ID:pOFqy7RQ
里は荒れ野となる露の深草や鶉がねやをてらす月影(太田道灌)

485 :名無氏物語:2009/10/03(土) 23:41:22 ID:pOFqy7RQ
なごりあれや野となりてだに菫咲く庭も籬も春のふるさと(十市遠忠)

486 :名無氏物語:2009/10/03(土) 23:42:13 ID:pOFqy7RQ
きて見ればわが古里は荒れにけり庭もまがきも落葉のみして(良寛)

487 :名無氏物語:2009/10/04(日) 00:00:46 ID:pOFqy7RQ
しぐれゆくかた野の原の紅葉がりたのむかげなくふく嵐かな(藤原家隆)

488 :名無氏物語:2009/10/04(日) 00:02:13 ID:y1O5Kf5v
これまでもたのむかげなくなりにけり花にしほるる雨のゆふぐれ(藤原秀能)

489 :名無氏物語:2009/10/04(日) 00:03:12 ID:y1O5Kf5v
唐錦君に見よとやまつら山のこるもみぢも枝に一むら(慈円)

490 :名無氏物語:2009/10/04(日) 00:04:07 ID:y1O5Kf5v
唐錦秋のかたみをたたじとや霜までのこる庭のひとむら(後鳥羽院)

491 :名無氏物語:2009/10/04(日) 00:05:12 ID:y1O5Kf5v
さを鹿の朝たつ野べの唐錦枝に一むら秋風ぞふく(順徳院)

492 :名無氏物語:2009/10/04(日) 00:06:13 ID:y1O5Kf5v
待つとせし人のためとはながめねどしげる夏草道もなきまで(藤原定家)

493 :名無氏物語:2009/10/04(日) 00:07:09 ID:y1O5Kf5v
つれもなき人やは待ちし山里はのきの下草みちもなきまで(藤原良経)

494 :名無氏物語:2009/10/04(日) 00:08:25 ID:y1O5Kf5v
都人まつとせしまに山里のみちもなきまで花ぞふりしく(正徹)

495 :名無氏物語:2009/10/04(日) 00:15:19 ID:y1O5Kf5v
またこむといひて別れしなごりのみながむる月に有明の空(藤原有家)

496 :名無氏物語:2009/10/04(日) 00:16:13 ID:y1O5Kf5v
いまこむといひてわかれし雁がねの思ひ出でてや月に鳴くらむ(宗良親王)

497 :名無氏物語:2009/10/04(日) 00:17:17 ID:y1O5Kf5v
老いらくの千とせの坂もこえぬべしはこやの山の月にまかせて(藤原家隆)

498 :名無氏物語:2009/10/04(日) 00:47:12 ID:0Qvg3cHl
月見れば千々に物こそ悲しけれわが身ひとつの秋にはあらねど(大江千里)

499 :名無氏物語:2009/10/04(日) 01:00:44 ID:y1O5Kf5v
時鳥よそにはすぎじ卯の花のまがきは山と暮れば見えなむ(飛鳥井雅有)

500 :名無氏物語:2009/10/04(日) 01:01:48 ID:y1O5Kf5v
夕暮は鳴くねもたかしきりぎりす籬は山と茂る草葉に(二条為藤)

501 :名無氏物語:2009/10/04(日) 01:08:34 ID:y1O5Kf5v
うの花のさけるあたりや夕暮のまがきの山の月とみゆらむ(鷹司冬平)

502 :名無氏物語:2009/10/04(日) 01:10:04 ID:y1O5Kf5v
とまるべき跡をもみばや夕ぐれのまがきは山とふれるしら雪(堯孝)

503 :名無氏物語:2009/10/04(日) 01:10:57 ID:y1O5Kf5v
山風の桜吹きまき散る花のみだれて見ゆる志賀の浦波(源実朝)

504 :名無氏物語:2009/10/04(日) 01:13:06 ID:y1O5Kf5v
山風に桜吹きまきゆく春のしばしやすらふ谷の下道(藤原秀能)

505 :名無氏物語:2009/10/04(日) 01:13:59 ID:y1O5Kf5v
山ふかき桜ふきまく風の音の花のまぎれに春や行くらむ(順徳院)

506 :名無氏物語:2009/10/04(日) 01:15:23 ID:y1O5Kf5v
あかで散る花のまぎれに別れにし人をばいつの春か又見む(宗良親王)

507 :名無氏物語:2009/10/04(日) 01:25:24 ID:y1O5Kf5v
すみ染を花の衣にたちかへし涙の色はあはれともみき(藤原定家)

508 :名無氏物語:2009/10/04(日) 01:26:24 ID:y1O5Kf5v
天つ風氷をわたる冬の夜の乙女の袖をみがく月影(式子内親王)

509 :名無氏物語:2009/10/04(日) 07:34:47 ID:y1O5Kf5v
あまつ風さはりし雲は吹きとぢつ乙女のすがた花ににほひて(藤原定家)

510 :名無氏物語:2009/10/04(日) 07:37:16 ID:y1O5Kf5v
しろたへのあまの羽衣つらねきて乙女まちとる雲の通路(藤原定家)

511 :名無氏物語:2009/10/04(日) 07:38:52 ID:y1O5Kf5v
ふかき夜にをとめのすがた風とぢて雲路にみてる万代の声(藤原定家)

512 :名無氏物語:2009/10/04(日) 07:45:40 ID:y1O5Kf5v
天つ風をとめの袖にさゆる夜は思ひ出でても寝られざりけり(藤原定家)

513 :名無氏物語:2009/10/04(日) 07:46:47 ID:y1O5Kf5v
天つ風雲井の空を吹くからに乙女の袖に宿る月かげ(後鳥羽院)

514 :名無氏物語:2009/10/04(日) 07:54:42 ID:y1O5Kf5v
雁かへる雲のかよひぢ吹きとぢて花にとどめよ天つ春風(木下長嘯子)

515 :名無氏物語:2009/10/04(日) 07:56:07 ID:y1O5Kf5v
きみとわれいかなる雲の末ならむ夢の切り口春吹きとぢよ(山中智恵子)

516 :名無氏物語:2009/10/04(日) 07:57:08 ID:y1O5Kf5v
わび人のわが宿からの松風になげきくははるさをしかの声(藤原定家)

517 :名無氏物語:2009/10/04(日) 07:57:11 ID:Lxo2WyFi
あさみどり玉ぬきみだる青柳の枝もとををに春雨ぞふる(藤原定家[続千載])

518 :名無氏物語:2009/10/04(日) 07:58:36 ID:Lxo2WyFi
あさみどり柳の枝のかたいともてぬきたる玉の春のあさ露(藤原為家[玉葉])

519 :名無氏物語:2009/10/04(日) 08:01:37 ID:Lxo2WyFi
山風の花の香かどふ麓には春の霞ぞほだしなりける(藤原興風[後撰])

520 :名無氏物語:2009/10/04(日) 08:05:46 ID:Lxo2WyFi
昔誰かかる桜の花をうゑて吉野を春の山となしけむ(藤原良経[新勅撰])

521 :名無氏物語:2009/10/04(日) 08:07:06 ID:Lxo2WyFi
みがきなす光もうれしはちす葉のにごりにしまぬ露のしら玉(洞院公賢[風雅])

522 :名無氏物語:2009/10/04(日) 08:07:37 ID:y1O5Kf5v
春ちかみあらばといとどしのばれて歎きくははる年の暮かな(木下長嘯子)

523 :名無氏物語:2009/10/04(日) 08:13:16 ID:y1O5Kf5v
女郎花なまめきたてるすがたをやうつくしよしと蝉のなくらむ(源俊頼)

524 :名無氏物語:2009/10/04(日) 08:14:13 ID:y1O5Kf5v
いつまでぞなまめきたてる女郎花はなも一とき露も一とき(慈円)

525 :名無氏物語:2009/10/04(日) 08:17:51 ID:y1O5Kf5v
かさぬべき霞の袖もただひとへいかにやどらむ山の夕かげ(藤原良経)

526 :名無氏物語:2009/10/04(日) 08:22:05 ID:y1O5Kf5v
あはれとてはぐくみたてし古へは世をそむけとも思はざりけむ(行尊)

527 :名無氏物語:2009/10/04(日) 08:23:13 ID:y1O5Kf5v
朝露はかかれとてしも消えざりし夕の風に散るさくらかな(正徹)

528 :名無氏物語:2009/10/04(日) 08:24:04 ID:y1O5Kf5v
かかれとてたがたらちねの撫でつらむ尾花がもとに残る黒かみ(心敬)

529 :名無氏物語:2009/10/04(日) 22:03:39 ID:y1O5Kf5v
ちると見ればまたさく花のにほひにもおくれさきだつためしありけり(西行)

530 :名無氏物語:2009/10/04(日) 22:04:31 ID:y1O5Kf5v
末の露もとのしづくも鳥べ山おくれ先だつけぶりなりけり(藤原家隆)

531 :名無氏物語:2009/10/04(日) 22:05:46 ID:y1O5Kf5v
六道の道の衢に待てよ君後れ先立つ習ありとも(弁慶)

532 :名無氏物語:2009/10/04(日) 22:06:42 ID:y1O5Kf5v
露雫おくれさきだつもとすゑをひとつみ法の花にもらすな(藤原為家)

533 :名無氏物語:2009/10/04(日) 22:07:51 ID:y1O5Kf5v
見てもしれいづれこの世はつねならむおくれさきだつ花ものこらず(良寛)

534 :名無氏物語:2009/10/04(日) 22:13:32 ID:y1O5Kf5v
いよよ清く成りにしといひし象川は今いかならむ見まほしきかも(田安宗武)

535 :名無氏物語:2009/10/04(日) 22:14:25 ID:y1O5Kf5v
吾が盛りくだつともよし吾妹子が玉の光儀の旧りずありせば(鹿持雅澄)

536 :名無氏物語:2009/10/04(日) 22:15:26 ID:y1O5Kf5v
橘の花ちる里のかぜとめばむかしの人とねぬべしや君(藤原基俊)

537 :名無氏物語:2009/10/04(日) 22:28:52 ID:y1O5Kf5v
たち花の花ちる里のすまひかなわれもさこそは昔がたりよ(慈円)

538 :名無氏物語:2009/10/04(日) 22:30:09 ID:y1O5Kf5v
橘の花ちる里の夕風に山ほととぎす声かをるなり(藤原家隆)

539 :名無氏物語:2009/10/04(日) 23:02:27 ID:y1O5Kf5v
橘の花ちる里の夕づくよ空にしられぬ影やのこらん(藤原定家)

540 :名無氏物語:2009/10/04(日) 23:03:10 ID:y1O5Kf5v
橘の花ちる里の夕ぐれにわすれそめぬる春のあけぼの(藤原良経)

541 :名無氏物語:2009/10/04(日) 23:08:00 ID:y1O5Kf5v
ほととぎすきけどもあかず橘の花ちる里の五月雨の頃(源実朝)

542 :名無氏物語:2009/10/04(日) 23:08:54 ID:y1O5Kf5v
世の人はさかしらをすと酒飲みぬあれは柿くひて猿にかも似る(正岡子規)

543 :名無氏物語:2009/10/04(日) 23:10:29 ID:y1O5Kf5v
大井川朝風寒み大丈夫と念ひてありし吾ぞ鼻ひる(平賀元義)

544 :名無氏物語:2009/10/04(日) 23:11:28 ID:y1O5Kf5v
春の野にすみれつみにとこし人も見しは少なくなりにけるかな(藤原秀能)

545 :名無氏物語:2009/10/04(日) 23:12:43 ID:y1O5Kf5v
春ごとにすみれつみにとくる人ぞ荒れゆく宿の哀れしるらむ(宗良親王)

546 :名無氏物語:2009/10/04(日) 23:15:38 ID:y1O5Kf5v
一夜しもねての朝露わけわびぬこや妹と我菫さく野べ(貞常親王)

547 :名無氏物語:2009/10/05(月) 12:37:13 ID:li3PBgYy
手枕の野をなつかしみつぼすみれ一夜ねてこそつむべかりけれ(契沖)

548 :名無氏物語:2009/10/05(月) 12:39:32 ID:li3PBgYy
くだら野のふる枝の萩の花みればことしばかりの秋としもなし(土御門院)

549 :名無氏物語:2009/10/05(月) 12:40:36 ID:li3PBgYy
くだら野の萩の花ちる夕風に花づまこへる鹿の音聞こゆ(田安宗武)

550 :名無氏物語:2009/10/05(月) 12:41:44 ID:li3PBgYy
あべの島いはうつ波のよるさえてすむともきかぬ千鳥なくなり(宗尊親王)

551 :名無氏物語:2009/10/05(月) 12:42:46 ID:li3PBgYy
夕づく日残らぬ色やあべの島鵜のすむ石のうへにみゆらん(後柏原天皇)

552 :名無氏物語:2009/10/05(月) 12:43:46 ID:li3PBgYy
あべのしま鵜のゐる岩ほかげ高み夕日かくれる波のすずしさ(三条西実隆)

553 :名無氏物語:2009/10/05(月) 12:44:27 ID:li3PBgYy
朝ぼらけ霞へだてて田子の浦に打出でてみれば山の端もなし(頓阿)

554 :名無氏物語:2009/10/05(月) 12:45:22 ID:li3PBgYy
深川を漕ぎ出でて見れば入日さし冨士の高根のさやけく見ゆかも(田安宗武)

555 :名無氏物語:2009/10/05(月) 12:53:21 ID:li3PBgYy
田子の浦にいでましありて富士の嶺の雪みそなはす時もあらなむ(佐久良東雄)

556 :名無氏物語:2009/10/05(月) 12:54:29 ID:li3PBgYy
土肥の海漕ぎ出でて見れば白雪を天に懸けたり富士の高嶺は(島木赤彦)

557 :名無氏物語:2009/10/05(月) 13:02:32 ID:li3PBgYy
和歌の浦の葦辺のたづのさしながら千年をかけて遊ぶころかな(藤原良経)

558 :名無氏物語:2009/10/05(月) 13:03:19 ID:li3PBgYy
和歌の浦の芦間に潮やみちぬらむ千世をこめたるたづのもろ声(後鳥羽院)

559 :名無氏物語:2009/10/05(月) 13:05:09 ID:li3PBgYy
和歌の浦のあしまの波にたちかへり昔ににたるたづの声かな(後鳥羽院)

560 :名無氏物語:2009/10/05(月) 13:06:52 ID:li3PBgYy
夕づくよみつ潮あひのかたをなみ浪にしをれてなく千鳥かな(源実朝)

561 :名無氏物語:2009/10/05(月) 13:24:29 ID:li3PBgYy
和歌の浦あし辺のたづの鳴く声に夜わたる月のかげぞ久しき(後堀河院)

562 :名無氏物語:2009/10/05(月) 13:26:58 ID:li3PBgYy
ひさぎおふる小野の浅茅におく霜のしろきをみれば夜やふけぬらむ(藤原基俊)

563 :名無氏物語:2009/10/05(月) 13:28:49 ID:li3PBgYy
夜ぐたちに千鳥しば鳴く楸生ふる清き川原に風や吹くらむ(藤原顕季)

564 :名無氏物語:2009/10/05(月) 13:30:02 ID:li3PBgYy
ひさぎおふるあその川原の川おろしにたぐふ千鳥の声のさやけさ(藤原清輔)

565 :名無氏物語:2009/10/05(月) 13:31:13 ID:li3PBgYy
ひさぎおふる佐保の河原にたつ千鳥空さへ清き月になくなり(藤原家隆)

566 :名無氏物語:2009/10/05(月) 13:33:15 ID:li3PBgYy
楸おふるかげをやおのが友ちどり月の氷も清き川原に(後柏原院)

567 :名無氏物語:2009/10/05(月) 14:11:15 ID:li3PBgYy
とのもりのともの宮つこいとまあれや日かずふりゆく五月雨のそら(平忠盛)

568 :名無氏物語:2009/10/05(月) 14:12:07 ID:li3PBgYy
思ふどち桜かざして暮らす日を花なき里の人に見せばや(藤原家隆)

569 :名無氏物語:2009/10/05(月) 14:13:46 ID:li3PBgYy
蘆の屋のなだの塩焼きいとまあれや磯山桜かざすあま人(藤原良経)

570 :名無氏物語:2009/10/05(月) 14:15:08 ID:li3PBgYy
万代の春をかさねていとまあれや桜をかざす神の宮人(藤原為家)

571 :名無氏物語:2009/10/05(月) 14:16:07 ID:li3PBgYy
相坂の関のせき守いとまあれや人をとどむる花にまかせて(頓阿)

572 :名無氏物語:2009/10/05(月) 14:17:16 ID:li3PBgYy
をさまらぬ世の人ごとのしげければ桜かざして暮らす日もなし(長慶天皇)

573 :名無氏物語:2009/10/05(月) 14:18:21 ID:li3PBgYy
我が宿の梅の花さけり春雨はいたくなふりそ散らまくも惜し(源実朝)

574 :名無氏物語:2009/10/05(月) 14:34:21 ID:li3PBgYy
春雨はいたくなふりそ旅人の道ゆき衣ぬれもこそすれ(源実朝)

575 :名無氏物語:2009/10/05(月) 14:35:21 ID:li3PBgYy
秋風はいたくな吹きそわが宿のもとあらの小萩散らまくも惜し(源実朝)

576 :名無氏物語:2009/10/05(月) 14:36:31 ID:li3PBgYy
春風はいたくな吹きそ鶯の来鳴く山吹散らまくも惜し(宗尊親王)

577 :名無氏物語:2009/10/05(月) 15:07:47 ID:li3PBgYy
時つ風いたくな吹きそ田子の浦に咲ける藤波散らまくも惜し(田安宗武)

578 :名無氏物語:2009/10/05(月) 15:09:17 ID:li3PBgYy
暮れゆけばさしてぞ恋ふるひのもとのみつの浜松いつとわきける(藤原家隆)

579 :名無氏物語:2009/10/05(月) 15:10:34 ID:li3PBgYy
大伴の御津の浜風吹きはらへまつとも見えじうづむ白雪(藤原定家)

580 :名無氏物語:2009/10/05(月) 15:11:25 ID:li3PBgYy
梅が枝の花も氷やとぢつらむ鶯の涙いまだひなくに(亀山院)

581 :名無氏物語:2009/10/05(月) 15:28:25 ID:li3PBgYy
大野山ふもとのうらは霧はれておきその風は月ぞさやけき(藤原信実)

582 :名無氏物語:2009/10/05(月) 15:43:37 ID:li3PBgYy
そめしより散らまく惜しむ世の人のおきその霧や山かくすらむ(加藤枝直)

583 :名無氏物語:2009/10/05(月) 15:44:45 ID:li3PBgYy
我が嘆くおきその霧もはれぬべし君が袖ふる心しるくば(本居宣長)

584 :名無氏物語:2009/10/05(月) 15:46:32 ID:li3PBgYy
別れ惜しむおきその風に霧たたばせめてやすらへ天の河舟(村田春海)

585 :名無氏物語:2009/10/05(月) 15:47:24 ID:li3PBgYy
白金も金も玉も天地の賜はる国ぞなにかなげかん(楫取魚彦)

586 :名無氏物語:2009/10/05(月) 15:49:53 ID:li3PBgYy
銀も金も玉もよしゑやし飲みての後は欲しけくもなし(鹿持雅澄)

587 :名無氏物語:2009/10/05(月) 16:00:36 ID:li3PBgYy
香をとめて人も見に来ぬ梅の花待ちくらしつつ独りをるかな(壬生忠見)

588 :名無氏物語:2009/10/05(月) 16:01:36 ID:li3PBgYy
春来ればまづ咲く宿の梅の花香をなつかしみ鶯ぞ鳴く(源実朝)

589 :名無氏物語:2009/10/05(月) 16:02:33 ID:li3PBgYy
春来てはまづ咲く花の都ぞと思ひなしにも空ぞのどけき(正徹)

590 :名無氏物語:2009/10/05(月) 16:03:29 ID:li3PBgYy
春来ればまづ咲く梅にききそめて藤にもかかる鶯の声(大国隆正)

591 :名無氏物語:2009/10/05(月) 16:04:36 ID:li3PBgYy
むかへ舟八十瀬をかけてこぎ出でぬと妻にはつげよ天の河風(下河辺長流)

592 :名無氏物語:2009/10/05(月) 16:05:39 ID:li3PBgYy
七草とかぞへし昔おもひいでて数へてぞみる秋の花野を(大国隆正)

593 :名無氏物語:2009/10/05(月) 16:06:27 ID:li3PBgYy
野べにいでて見れどもあかず萩が花をばな葛花いまさかりなり(藤原光俊)

594 :名無氏物語:2009/10/05(月) 16:07:39 ID:li3PBgYy
せりなづなごぎやうはこべら仏のざすずなすずしろ是は七種(梵灯)

595 :名無氏物語:2009/10/05(月) 16:33:05 ID:li3PBgYy
まとひあひて尾花くず花なでしこの花にもさける朝がほの花(大隈言道)

596 :名無氏物語:2009/10/05(月) 16:34:07 ID:li3PBgYy
風まじり涙の雨のあめまじりかしらの雪のくるるとしかな(藤原惺窩)

597 :名無氏物語:2009/10/05(月) 17:07:25 ID:li3PBgYy
世の中を思ひはてなば放ち鳥とびたちぬべき心ちこそすれ(源俊頼)

598 :名無氏物語:2009/10/05(月) 17:08:18 ID:li3PBgYy
丈夫や命死ぬとも万代に名は朽ちめやも波頭迦志美思倍(楫取魚彦)

599 :名無氏物語:2009/10/05(月) 17:25:40 ID:li3PBgYy
いよよ清く成りにしといひし象川は今いかならむ見まほしきかも(田安宗武)

600 :名無氏物語:2009/10/05(月) 17:27:34 ID:li3PBgYy
吾が盛りくだつともよし吾妹子が玉の光儀の旧りずありせば(鹿持雅澄)

601 :名無氏物語:2009/10/05(月) 17:29:35 ID:li3PBgYy
橘の花ちる里のかぜとめばむかしの人とねぬべしや君(藤原基俊)

602 :名無氏物語:2009/10/05(月) 17:30:36 ID:li3PBgYy
たち花の花ちる里のすまひかなわれもさこそは昔がたりよ(慈円)

603 :名無氏物語:2009/10/05(月) 17:46:46 ID:li3PBgYy
橘の花ちる里の夕風に山ほととぎす声かをるなり(藤原家隆)

604 :名無氏物語:2009/10/05(月) 17:55:04 ID:li3PBgYy
橘の花ちる里の夕づくよ空にしられぬ影やのこらん(藤原定家)

605 :名無氏物語:2009/10/05(月) 18:18:45 ID:li3PBgYy
橘の花ちる里の夕ぐれにわすれそめぬる春のあけぼの(藤原良経)

606 :名無氏物語:2009/10/05(月) 18:19:49 ID:li3PBgYy
ほととぎすきけどもあかず橘の花ちる里の五月雨の頃(源実朝)

607 :名無氏物語:2009/10/05(月) 18:22:24 ID:li3PBgYy
世の人はさかしらをすと酒飲みぬあれは柿くひて猿にかも似る(正岡子規)

608 :名無氏物語:2009/10/05(月) 18:23:10 ID:li3PBgYy
大井川朝風寒み大丈夫と念ひてありし吾ぞ鼻ひる(平賀元義)

609 :名無氏物語:2009/10/05(月) 18:28:56 ID:li3PBgYy
ここにありて春日やいづち雨つつみ出でてゆかねば恋ひつつぞをる(藤原八束)

610 :名無氏物語:2009/10/05(月) 18:30:07 ID:li3PBgYy
来むと言ひて来ぬがつらさに比ぶれば来じとて来ぬは嬉しかりけり(俊恵)

611 :名無氏物語:2009/10/05(月) 18:48:12 ID:li3PBgYy
来じといはば来む夜もありと待たましを来むとたのめて来しやいつなる(油谷倭文子)

612 :名無氏物語:2009/10/05(月) 18:53:01 ID:li3PBgYy
忍びても我が袖ひめや姫ゆりのしられぬ草の下のしら露(藤原家隆)

613 :名無氏物語:2009/10/05(月) 18:54:24 ID:li3PBgYy
あしひきの国上の山を今もかも鳴きて越ゆらむ山ほととぎす(良寛)

614 :名無氏物語:2009/10/05(月) 19:03:57 ID:li3PBgYy
潮みたぬ真野の浜路のさゆりばも入りぬる磯は五月雨のころ(寂蓮)

615 :名無氏物語:2009/10/05(月) 19:05:28 ID:li3PBgYy
いづれうき入りぬる磯の夏の夜はみらくすくなき月と夢とに(正徹)

616 :名無氏物語:2009/10/05(月) 19:17:00 ID:li3PBgYy
夏草のあひ寝の浜の真砂路は八百夜ゆくともあかじとぞ思ふ(加納諸平)

617 :名無氏物語:2009/10/05(月) 19:17:43 ID:li3PBgYy
夏草のあひねの浜によする波千重の契をかけなたがへそ(加納諸平)

618 :名無氏物語:2009/10/05(月) 19:18:24 ID:li3PBgYy
里人の家をも名をも花がたみかたみにとひて若菜をぞつむ(飛鳥井雅親)

619 :名無氏物語:2009/10/05(月) 19:19:21 ID:li3PBgYy
朝菜つむ野辺のをとめに家とへばぬしだに知らずあとの霞に(下河辺長流)

620 :名無氏物語:2009/10/05(月) 19:20:07 ID:li3PBgYy
しばの野に葛引くをとめ家のらへ此野づかさに葛引くをとめ(楫取魚彦)

621 :名無氏物語:2009/10/05(月) 19:21:42 ID:li3PBgYy
霞たつ春野のさはに袖ひぢて若菜つむ子が家とはましを(本居宣長)

622 :名無氏物語:2009/10/05(月) 19:22:49 ID:li3PBgYy
我が岡の雪間にもゆる初わかな家も名のらで摘むは誰が子ぞ(幽真)

623 :名無氏物語:2009/10/05(月) 19:24:11 ID:li3PBgYy
みはかしをつるぎの池の花蓮さきのさかりは今日にしあるらし(本居宣長)

624 :名無氏物語:2009/10/06(火) 13:53:31 ID:8laIKI+1
磯のうへは心してゆけ真砂ぢや根這ふつままに駒ぞつまづく(藤原信実)

625 :名無氏物語:2009/10/06(火) 13:54:15 ID:8laIKI+1
秋風に雲のかけはし吹き断えて駒ぞ跌く家思ふかも(岡倉天心)

626 :名無氏物語:2009/10/06(火) 13:55:05 ID:8laIKI+1
故郷のもとあらの小萩いたづらに見る人なしみ咲きか散りなむ(源実朝)

627 :名無氏物語:2009/10/06(火) 13:55:55 ID:8laIKI+1
山深み年をふる木の桜花さてや散りなむ見る人なしに(小沢蘆庵)

628 :名無氏物語:2009/10/06(火) 13:56:51 ID:8laIKI+1
うづら鳴くふりにし里の桜花見る人なしに散りかすぎなむ(本居宣長)

629 :名無氏物語:2009/10/06(火) 13:57:42 ID:8laIKI+1
いにしへの人がいひたる如くにし萩が花散る見る人なしに(斎藤茂吉)

630 :名無氏物語:2009/10/06(火) 13:58:28 ID:8laIKI+1
さくら花さきゆくみればわが身のみ春にはうときものにぞありける(伏見院)

631 :名無氏物語:2009/10/06(火) 13:59:18 ID:zEGe48ix
うちなびき春はきぬらし山ぎはのとほき梢のさきゆくみれば(よみびとしらず[風雅])

632 :名無氏物語:2009/10/06(火) 13:59:21 ID:8laIKI+1
一むらの雲こそかかれ山のはの遠き梢の花や咲くらむ(小沢蘆庵)

633 :名無氏物語:2009/10/06(火) 14:00:06 ID:zEGe48ix
うちなびき春さりくらし山のべのまきのこずゑのさき行くみれば(作者不明記[古今六帖])

634 :名無氏物語:2009/10/06(火) 14:16:47 ID:8laIKI+1
花見むとねこじて植ゑし若桜咲きにけらしな風ふかぬまに(藤原顕季)

635 :名無氏物語:2009/10/06(火) 14:18:02 ID:8laIKI+1
うぐひすの声も若木の梅がえをねこじてうゑし人ぞふりゆく(藤原家隆)

636 :名無氏物語:2009/10/06(火) 14:20:31 ID:8laIKI+1
同じくは千とせもゆづれ山路よりねこじてうゑし宿の白菊(後二条院)

637 :名無氏物語:2009/10/06(火) 14:21:38 ID:8laIKI+1
安積山影さへ見ゆる山の井の浅き心を吾が思はなくに(陸奥国前采女)

638 :名無氏物語:2009/10/06(火) 14:22:41 ID:8laIKI+1
冬霧の湖を薄ら氷踏み渡り心ほそくも遂げん我が恋(読人しらず)

639 :名無氏物語:2009/10/06(火) 14:26:47 ID:8laIKI+1
なく千鳥我さへかなし白菅のおふの河風さむくふく夜に(衣笠家良)

640 :名無氏物語:2009/10/06(火) 14:27:37 ID:8laIKI+1
日ざかりはあそびてゆかん影もよし真野の萩はら風たちにけり(源俊頼)

641 :名無氏物語:2009/10/06(火) 14:29:24 ID:8laIKI+1
月夜よしおふの浦梨かげもよし涼みて行かん綱手ゆるべよ(俊恵)

642 :名無氏物語:2009/10/06(火) 14:42:30 ID:8laIKI+1
風は清し月はさやけしいざともに踊り明かさむ老のなごりに(良寛)

643 :名無氏物語:2009/10/06(火) 15:06:08 ID:8laIKI+1
にほ照るや凪ぎたる朝に見わたせば漕ぎゆく跡の波だにもなし(西行)

644 :名無氏物語:2009/10/06(火) 15:07:47 ID:8laIKI+1
跡もなくこぎ行く船のみゆるかなすぎぬる事はこれにたとへん(慈円)

645 :名無氏物語:2009/10/06(火) 15:10:15 ID:8laIKI+1
これも又なににたとへむ朝ぼらけ花ふく風のあとのしらなみ(鴨長明)

646 :名無氏物語:2009/10/06(火) 15:13:04 ID:8laIKI+1
とほざかる人の心はうなばらの奥行くふねの跡のしら浪(藤原定家)

647 :名無氏物語:2009/10/06(火) 15:16:52 ID:8laIKI+1
朝ぼらけ沖行く舟のほのぼのと霞にのこるあとのしら浪(正徹)

648 :名無氏物語:2009/10/06(火) 15:18:47 ID:8laIKI+1
行く舟のあとの白浪かすむ日はこの世の中をなににたとへん(正徹)

649 :名無氏物語:2009/10/06(火) 15:25:43 ID:8laIKI+1
春のはて花の湊や尋ぬともむなしき舟の跡のしらなみ(心敬)

650 :名無氏物語:2009/10/06(火) 15:26:41 ID:8laIKI+1
浪の上をこぎ行く舟の跡もなき人を見ぬめのうらぞ悲しき(賀茂真淵)

651 :名無氏物語:2009/10/06(火) 15:50:20 ID:zEGe48ix
世の中を何にたとへん秋の田をほのかにてらす宵の稲妻(源順[後拾遺])

652 :名無氏物語:2009/10/06(火) 15:51:16 ID:zEGe48ix
世の中を何にたとへん風ふけばゆくへもしらぬ峯のしら雲(源順[続古今])

653 :名無氏物語:2009/10/06(火) 16:03:57 ID:8laIKI+1
何事かおもひのこさん朝びらきこぎゆく舟の真帆のおひかぜ(加納諸平)

654 :名無氏物語:2009/10/06(火) 16:05:00 ID:8laIKI+1
世の中は何にたとへむ弥彦にたゆたふ雲の風のまにまに(良寛)

655 :名無氏物語:2009/10/06(火) 16:06:05 ID:8laIKI+1
ゐても恋ひふしても恋ふるかひもなくかく浅ましく見ゆる山の井(源順)

656 :名無氏物語:2009/10/06(火) 16:07:28 ID:8laIKI+1
色かはる白髪までにながらへてそむくかひなき後のみじかさ(長綱)

657 :名無氏物語:2009/10/06(火) 16:08:50 ID:8laIKI+1
秋ぞかしいはたのをのの言はずとも柞が原にもみぢやはせぬ(藤原有家)

658 :名無氏物語:2009/10/06(火) 16:09:36 ID:8laIKI+1
秋ふかきいはたのをののははそ原した葉は草の露やそむらん(藤原家隆)

659 :名無氏物語:2009/10/06(火) 16:29:06 ID:8laIKI+1
うづらなくいはたの小野の旅人や月まちいでて山路こゆらん(慶運)

660 :名無氏物語:2009/10/06(火) 16:30:11 ID:8laIKI+1
誰にかもいはたのをのの秋の月ひとりはあかぬ山路越え行く(三条西実隆)

661 :名無氏物語:2009/10/06(火) 16:41:59 ID:zEGe48ix
時雨するいはたの小野の柞原朝な朝なに色かはりゆく(大江匡房[玉葉])

662 :名無氏物語:2009/10/06(火) 16:42:53 ID:zEGe48ix
柞ちるいはたのをのの木枯しに山ぢしぐれてかかる叢雲(宗尊親王[続古今])

663 :名無氏物語:2009/10/06(火) 22:52:34 ID:8laIKI+1
月にふす伊勢の浜荻こよひもや荒き磯辺の秋をしのばむ(藤原定家)

664 :名無氏物語:2009/10/06(火) 22:53:31 ID:8laIKI+1
折りしかむ旅寝もつらし波まくら名はむつましき伊勢の浜荻(後鳥羽院)

665 :名無氏物語:2009/10/06(火) 22:54:10 ID:zEGe48ix
あたら夜を伊勢の浜荻折り敷きて妹恋しらに見つる月かな(藤原基俊[千載])

666 :名無氏物語:2009/10/06(火) 22:54:34 ID:8laIKI+1
み民われ生けるかひありてさすたけの君がみことを今日聞けるかも(賀茂真淵)

667 :名無氏物語:2009/10/06(火) 22:55:14 ID:zEGe48ix
しらざりし八十瀬の波を分け過ぎてかたしくものは伊勢の浜荻(丹後[新古今])

668 :名無氏物語:2009/10/06(火) 22:55:25 ID:8laIKI+1
御民われ楽しくもあるか天地のたらへる御世にあらくし思へば(長田鶴夫)

669 :名無氏物語:2009/10/06(火) 22:56:13 ID:8laIKI+1
あはぢ島吹きこす秋の浪風にたぐふ牡鹿の声のはるけさ(藤原家隆)

670 :名無氏物語:2009/10/06(火) 22:56:59 ID:8laIKI+1
なつみ川こほりかねたる早きせをうきねの床と鴨ぞ鳴くなる(宗良親王)

671 :名無氏物語:2009/10/06(火) 22:57:49 ID:8laIKI+1
なつみ川山陰にして見し雪ののこるがさくか岸の卯花(正徹)

672 :名無氏物語:2009/10/06(火) 22:58:40 ID:8laIKI+1
すむ鴨ぞ猶たちさらぬなつみ川山陰にしてなくほたるかな(木下長嘯子)

673 :名無氏物語:2009/10/06(火) 23:08:22 ID:8laIKI+1
月よみの光を待ちてかへりませ山路は栗のいがの多きに(良寛)

674 :名無氏物語:2009/10/06(火) 23:10:04 ID:8laIKI+1
玉もかるしほひのかたにたづ鳴きて夕日かすめるわかの松原(大江頼重)

675 :名無氏物語:2009/10/06(火) 23:10:58 ID:8laIKI+1
ことの葉の実さへ花さへ橘のこれとさだめてにほふ宿かも(三条西実隆)

676 :名無氏物語:2009/10/06(火) 23:12:21 ID:8laIKI+1
ことの葉のたねにもうつせ橘の実さへ花さへあかぬにほひを(中院通勝)

677 :名無氏物語:2009/10/06(火) 23:13:09 ID:8laIKI+1
山姫や君がためにと時わかぬ実さへ花さへさらにをりけん(中院通村)

678 :名無氏物語:2009/10/06(火) 23:13:55 ID:8laIKI+1
枝にみちてかをるもあかぬ立花は実さへ花さへ常盤にをみん(霊元院)

679 :名無氏物語:2009/10/06(火) 23:15:28 ID:8laIKI+1
言の葉の昔の風も知るやいかに実さへ花さへ匂ふ橘(武者小路実陰)

680 :名無氏物語:2009/10/06(火) 23:18:52 ID:zEGe48ix
伊勢島やわかの松原みわたせば夕しほかけて秋かぜぞふく(九条道家[続古今])

681 :名無氏物語:2009/10/06(火) 23:19:36 ID:zEGe48ix
なつみ川かはおとたえて氷る夜に山かげさむく鴨ぞ鳴くなる(伏見院[新後撰])

682 :名無氏物語:2009/10/06(火) 23:20:25 ID:zEGe48ix
春もなほなつみのかはのあさ氷まだ消えやらず山かげにして(西音[玉葉])

683 :名無氏物語:2009/10/07(水) 07:57:15 ID:SBpr7Utv
あわ雪は消なば消ぬがに降りたれば眼悲しく消ぬらくを見む(斎藤茂吉)

684 :名無氏物語:2009/10/07(水) 07:58:41 ID:SBpr7Utv
夕されば倭へこゆる雁がねのきこゆるからに秋ぞかなしき(加納諸平)

685 :名無氏物語:2009/10/07(水) 07:59:30 ID:SBpr7Utv
霜氷る夜風をさむみ埼玉の尾崎の沼に鴨ぞ鳴くなる(宗尊親王)

686 :名無氏物語:2009/10/07(水) 08:00:19 ID:SBpr7Utv
しでの山こえつる宵に里なれて今もなかなむあはれその鳥(藤原隆季)

687 :名無氏物語:2009/10/07(水) 08:22:43 ID:SBpr7Utv
さみだれは夜中に晴れて月に鳴くあはれその鳥あはれその鳥(上田秋成)

688 :名無氏物語:2009/10/07(水) 08:23:57 ID:SBpr7Utv
しが父がこぞ鳴きつらむ時鳥ことしの声も違はざりけり(大国隆正)

689 :名無氏物語:2009/10/07(水) 08:25:05 ID:SBpr7Utv
さしのぼる三笠の山の峰からに又たぐひなくさやかなる月(藤原定家)

690 :名無氏物語:2009/10/07(水) 08:26:18 ID:SBpr7Utv
春日なるみかさの山の秋の月あふげばたかき影ぞみえける(二条良基)

691 :名無氏物語:2009/10/07(水) 08:27:36 ID:SBpr7Utv
影たかみ今もふりさけ御笠山遠き神代にいでし月かも(堯孝)

692 :名無氏物語:2009/10/07(水) 08:31:35 ID:SBpr7Utv
今宵月みかさの山の草枕夢かうつつかもろこしの空(藤原惺窩)

693 :名無氏物語:2009/10/07(水) 08:47:11 ID:SBpr7Utv
水や汲まむ薪や伐らむ菜や摘まむ朝の時雨の降らぬその間に(良寛)

694 :名無氏物語:2009/10/07(水) 08:48:03 ID:SBpr7Utv
霊山の釈迦のみ前に契りてしことな忘れそ世はへだつとも(良寛)

695 :名無氏物語:2009/10/07(水) 08:49:36 ID:SBpr7Utv
夢にても見つとはいはじ朝な朝なわが俤にはづる身なれば(伊勢)

696 :名無氏物語:2009/10/07(水) 08:51:00 ID:SBpr7Utv
思ひ出でて夜はすがらに音をぞなく有りし昔の世々のふるごと(源実朝)

697 :名無氏物語:2009/10/07(水) 09:06:19 ID:SBpr7Utv
この里に手まりつきつつ子供らと遊ぶ春日は暮れずともよし(良寛)

698 :名無氏物語:2009/10/07(水) 09:07:06 ID:SBpr7Utv
ゆく水のあわをによりて乱るなり嵐におつる滝の白糸(寂身)

699 :名無氏物語:2009/10/07(水) 09:08:57 ID:SBpr7Utv
いそぐなり末もとまらぬ年の緒をあわをによりてむすぶ契に(正徹)

700 :名無氏物語:2009/10/07(水) 09:10:21 ID:SBpr7Utv
玉の緒をあわ緒によりて長かれと願ふ心は神ぞ知るらん(松永貞徳)

701 :名無氏物語:2009/10/07(水) 09:11:44 ID:SBpr7Utv
こがれつつ春のなかばになりぬなり今や咲くらむ山吹の花(大中臣能宣)

702 :名無氏物語:2009/10/07(水) 09:13:58 ID:SBpr7Utv
春暮れぬ今か咲くらむかはづ鳴く神なび川の山吹の花(藤原俊成)

703 :名無氏物語:2009/10/07(水) 09:15:02 ID:SBpr7Utv
大堰河かへらぬ水に影見えてことしもさける山ざくらかな(香川景樹)

704 :名無氏物語:2009/10/07(水) 09:16:02 ID:SBpr7Utv
七車つむ恋草のおもければうしとみれどもやるかたもなし(大江匡房)

705 :名無氏物語:2009/10/07(水) 09:32:06 ID:SBpr7Utv
人しれぬわが恋草の七車思ひみだれてやる方もなし(後村上天皇)

706 :名無氏物語:2009/10/08(木) 12:53:05 ID:bMRLiCsJ
恋草のちから車を引く牛のくるしむいきを我がむねにして(肖柏)

707 :名無氏物語:2009/10/08(木) 12:55:18 ID:bMRLiCsJ
五月雨はわたりをとほみ泉川こま山見えず雲ぞかかれる(藤原家隆)

708 :名無氏物語:2009/10/08(木) 12:56:21 ID:bMRLiCsJ
泉河ははその梢見わたせばわたりを遠み紅葉しにけり(藤原信実)

709 :名無氏物語:2009/10/08(木) 12:57:09 ID:bMRLiCsJ
いとどなほ渡りぞ遠き泉川ゆくへも見えぬ瀬々の夕霧(涌蓮)

710 :名無氏物語:2009/10/08(木) 12:57:50 ID:bMRLiCsJ
世の中の憂き人の子をはぐくまむ翅かしてよあめの鶴むら(加藤宇万伎)

711 :名無氏物語:2009/10/08(木) 12:57:56 ID:6RMrItor
泉河とほきわたりの月かげに声をつくしてなく時鳥(後宇多院[新千載])

712 :名無氏物語:2009/10/08(木) 12:58:58 ID:bMRLiCsJ
とぶ蛍ともし火のごと燃ゆれども光をみれば涼しくもあるか(光厳院)

713 :名無氏物語:2009/10/08(木) 12:59:11 ID:6RMrItor
梅の花いろはそれともわかぬまで風に乱れて雪は降りつつ(源実朝[続後撰])

714 :名無氏物語:2009/10/08(木) 12:59:40 ID:bMRLiCsJ
濡れつつもしひてぞ折らむ田子の浦の底さへ匂ふ春の藤波(順徳院)

715 :名無氏物語:2009/10/08(木) 12:59:55 ID:6RMrItor
濡れつつもしひてぞ折らむ田子の浦の底さへ匂ふ春の藤波(順徳院)

716 :名無氏物語:2009/10/08(木) 13:01:33 ID:bMRLiCsJ
時鳥今も鳴かなむ田子の浦の底さへにほふ花の波路に(三条西実隆)

717 :名無氏物語:2009/10/08(木) 13:08:36 ID:bMRLiCsJ
惜しめども波に折らるる花の色はかざしてゆかむ岸の山吹(三条西公条)

718 :名無氏物語:2009/10/08(木) 13:10:40 ID:bMRLiCsJ
雪ふかきまののかやはら跡たえてまだこととほし春のおもかげ(藤原定家)

719 :名無氏物語:2009/10/08(木) 13:12:03 ID:bMRLiCsJ
みちのくの真野のかや原かりにだにこぬ人をのみまつがくるしさ(源実朝)

720 :名無氏物語:2009/10/08(木) 13:13:21 ID:bMRLiCsJ
人しれぬしたのみだれやかよふらん真野のかや原程とほくとも(藤原為家)

721 :名無氏物語:2009/10/08(木) 13:14:38 ID:bMRLiCsJ
霜枯のまののかや原風さえて面かげにのみ残る秋かな(頓阿)

722 :名無氏物語:2009/10/08(木) 13:16:26 ID:bMRLiCsJ
里人の夢のおもかげしたふとも雪に跡みしまののかや原(正徹)

723 :名無氏物語:2009/10/08(木) 13:17:43 ID:bMRLiCsJ
かりねせしまののかや原分出でて見し面影にまよふ夢かな(三条西実隆)

724 :名無氏物語:2009/10/08(木) 14:12:34 ID:bMRLiCsJ
おほ海の磯もとどろによする波われてくだけてさけて散るかも(源実朝)

725 :名無氏物語:2009/10/08(木) 14:14:38 ID:bMRLiCsJ
山寺の寝よとの鐘もうちはてて後こそ虫の音はすみにけれ(木下幸文)

726 :名無氏物語:2009/10/08(木) 14:15:39 ID:bMRLiCsJ
時鳥よふかき声を聞きにけり独り寝よとの鐘にそむきて(大国隆正)

727 :名無氏物語:2009/10/08(木) 14:16:42 ID:bMRLiCsJ
かはれただ別るる道の野べの露命に向かふ物も思はじ(藤原定家)

728 :名無氏物語:2009/10/08(木) 14:17:56 ID:bMRLiCsJ
奧山の岩垣沼に木の葉おちてしづめる心人しるらめや(源実朝)

729 :名無氏物語:2009/10/08(木) 14:19:49 ID:bMRLiCsJ
下燃えにつのぐみわたる葦辺よりみちくる潮の恋ひまさりつつ(藤原家隆)

730 :名無氏物語:2009/10/08(木) 14:22:34 ID:bMRLiCsJ
夜な夜なは身もうきぬべし葦辺よりみちくる潮のまさる思ひに(藤原定家)

731 :名無氏物語:2009/10/08(木) 14:23:30 ID:bMRLiCsJ
いやましにぬるる袖かな葦辺よりみちくる潮のからきうき世は(宗尊親王)

732 :名無氏物語:2009/10/08(木) 14:39:08 ID:bMRLiCsJ
思ひ出でよ忘れやしぬる若狭路や後瀬の山と契りしものを(藤原俊成)

733 :名無氏物語:2009/10/08(木) 14:43:19 ID:bMRLiCsJ
たのめおきし後瀬の山のひとことや恋をいのりの命なりける(藤原定家)

734 :名無氏物語:2009/10/08(木) 15:46:15 ID:6RMrItor
逢ひ見てし後瀬の山の後もなど通はぬ道の苦しかるらん(良覚[新後撰])

735 :名無氏物語:2009/10/08(木) 15:51:07 ID:bMRLiCsJ
くさぐさの花は咲けどもかぞいろのなきよの春は寂しかりけり(鵜殿余野子)

736 :名無氏物語:2009/10/08(木) 15:52:04 ID:bMRLiCsJ
野にかへり春億万の花のなかに探したづぬるわが母はなし(前川佐美雄)

737 :名無氏物語:2009/10/08(木) 15:53:02 ID:bMRLiCsJ
すさのをのみことを祈るともなしに越えてぞみまし波の八重垣(和泉式部)

738 :名無氏物語:2009/10/08(木) 15:53:42 ID:bMRLiCsJ
思ひあればへだつる雲もなかりけり妻もこもれり出雲八重垣(寂蓮)

739 :名無氏物語:2009/10/08(木) 15:54:32 ID:bMRLiCsJ
しきしまや大和言の葉たづぬれば神の御代よりいづも八重垣(藤原良経)

740 :名無氏物語:2009/10/08(木) 15:55:11 ID:6RMrItor
八雲立つ出雲八重垣けふまでも昔の跡は隔てざりけり(藤原良経[続古今])

741 :名無氏物語:2009/10/08(木) 15:55:16 ID:bMRLiCsJ
八雲立つ出雲八重垣ひまもなくめぐみにこめよ君がよろづ代(源家長)

742 :名無氏物語:2009/10/08(木) 15:56:10 ID:bMRLiCsJ
そのままに神代もとほくへだたりて跡やふりぬる出雲八重垣(宗良親王)

743 :名無氏物語:2009/10/08(木) 15:57:00 ID:bMRLiCsJ
世にこえて猶ぞさかえんことの葉を神のさだめし出雲八重垣(正徹)

744 :名無氏物語:2009/10/08(木) 16:22:49 ID:6RMrItor
八雲立つ出雲八重垣かきつけて昔語りを見るぞ畏き(後嵯峨院[新後拾遺])

745 :名無氏物語:2009/10/08(木) 16:36:30 ID:bMRLiCsJ
よもの空春を神代のつまごめに八重垣つくる朝霞かな(肖柏)

746 :名無氏物語:2009/10/08(木) 16:37:35 ID:bMRLiCsJ
もろ神のぬれてやつどふけふよりは時雨の雲のいづも八重がき(下河辺長流)

747 :名無氏物語:2009/10/08(木) 16:39:34 ID:bMRLiCsJ
わが心すがすがしてふ跡とめて今も八雲の道は汚さじ(桜町院)

748 :名無氏物語:2009/10/08(木) 16:40:34 ID:bMRLiCsJ
鶯のつまやこもるとゆかしきは梅咲きかこむ庵の八重がき(蓮月)

749 :名無氏物語:2009/10/08(木) 16:41:38 ID:bMRLiCsJ
妻籠に籠りし神の神代より清の熊野にたてる雲かも(平賀元義)

750 :名無氏物語:2009/10/08(木) 16:43:44 ID:bMRLiCsJ
八重垣のむかしのままに霞むらし出雲の宮の春のあけぼの(千種有功)

751 :名無氏物語:2009/10/08(木) 16:46:44 ID:bMRLiCsJ
月影のくまなき夜はも小倉山妻まきかねて牡鹿鳴くらん(橘千蔭)

752 :名無氏物語:2009/10/08(木) 16:47:23 ID:bMRLiCsJ
難波江にさくやこの花白妙の秋なき浪をてらす月かげ(藤原定家)

753 :名無氏物語:2009/10/08(木) 16:47:43 ID:6RMrItor
難波津に冬ごもりせし花なれや平野の松にふれる白雪(藤原家隆[続古今])

754 :名無氏物語:2009/10/08(木) 17:12:38 ID:bMRLiCsJ
難波津にさくやこの花朝霞春たつ波にかをる春風(後鳥羽院)

755 :名無氏物語:2009/10/08(木) 17:13:31 ID:bMRLiCsJ
時ならぬうつ木垣根の冬籠り咲くや此の花雪とみえつつ(宗良親王)

756 :名無氏物語:2009/10/08(木) 17:15:59 ID:bMRLiCsJ
難波津のむかしをかけて匂ふなりあれにし里に咲くや此の花(後崇光院)

757 :名無氏物語:2009/10/08(木) 17:17:08 ID:bMRLiCsJ
民の戸のけぶりを見てもなには人なみになこひそさくや此の花(正徹)

758 :名無氏物語:2009/10/08(木) 17:17:51 ID:bMRLiCsJ
散るもののさりとてたえぬながめかな春いくかへり咲くやこの花(細川幽斎)

759 :名無氏物語:2009/10/08(木) 17:21:15 ID:bMRLiCsJ
春といへばなにはのことも種となる心の花にさくやこの花(飛鳥井雅章)

760 :名無氏物語:2009/10/08(木) 17:22:24 ID:bMRLiCsJ
蘆がきのまぢかき春の隣より雪にまじりて咲くや此の花(後西院)

761 :名無氏物語:2009/10/08(木) 17:23:35 ID:6RMrItor
難波津に咲くやむかしの梅の花今も春なるうら風ぞ吹く(藤原良経[新勅撰])

762 :名無氏物語:2009/10/08(木) 17:24:55 ID:6RMrItor
難波江や冬ごもりせし梅が香のよもにみちくる春の汐風(藤原為家[続千載])

763 :名無氏物語:2009/10/08(木) 17:26:14 ID:6RMrItor
難波津の昔の風はことなれど我が世春べとさくや梅がえ(後宇多院[新千載])

764 :名無氏物語:2009/10/09(金) 05:52:35 ID:i3mAmsU0
豊秋津みづほの国にみづ枝さし咲き栄えゆく花はこの花(栗田土満)

765 :名無氏物語:2009/10/09(金) 05:53:48 ID:i3mAmsU0
桜さへ今はさかせて難波人梅が香そふる冬ごもりかな(加納諸平)

766 :名無氏物語:2009/10/09(金) 05:54:46 ID:i3mAmsU0
うれしくも年のはじめのけふの日の名におひいでてさくやこの花(大隈言道)

767 :名無氏物語:2009/10/09(金) 05:55:31 ID:i3mAmsU0
冬ごもりこらへこらへて一時に花咲きみてる春は来るらし(野村望東尼)

768 :名無氏物語:2009/10/09(金) 05:56:19 ID:i3mAmsU0
難波津に咲く木の花の道ながら葎繁りき君が行くまで(与謝野晶子)

769 :名無氏物語:2009/10/09(金) 05:57:07 ID:i3mAmsU0
たかきやにけむりをのぞむ古にたちもおよばぬ身をなげきつつ(長慶天皇)

770 :名無氏物語:2009/10/09(金) 05:58:10 ID:fsdB3oCo
見渡せば村の朝けぞ霞みゆく民のかまども春にあふ比(後鳥羽院[玉葉])

771 :名無氏物語:2009/10/09(金) 05:58:40 ID:i3mAmsU0
かまどよりたつや煙も高き屋にのぼる霞の色とみゆらん(正徹)

772 :名無氏物語:2009/10/09(金) 05:59:14 ID:fsdB3oCo
高き屋に治まれる世を空にみて民のかまども煙立つなり(藤原雅経[続後撰])

773 :名無氏物語:2009/10/09(金) 06:00:06 ID:i3mAmsU0
これまでやなにはの宮のたかき屋に煙をそへてみつの浜松(正徹)

774 :名無氏物語:2009/10/09(金) 06:32:14 ID:fsdB3oCo
足曳の山田の早苗とりどりに民のしわざはにぎはひにけり(後嵯峨院[続後拾遺])

775 :名無氏物語:2009/10/09(金) 06:36:01 ID:fsdB3oCo
今も猶民のかまどの煙までまもりやすらん我が国のため(後宇多院[新千載])

776 :名無氏物語:2009/10/09(金) 06:40:54 ID:i3mAmsU0
世は春の民の朝けの烟より霞も四方の空に立つらん(後水尾院)

777 :名無氏物語:2009/10/09(金) 06:43:02 ID:i3mAmsU0
高き家に君とのぼれば春の国河遠白し朝の鐘なる(与謝野晶子)

778 :名無氏物語:2009/10/09(金) 06:47:49 ID:i3mAmsU0
冬の来て降りみ降らずみ大和にはむら山ありて行く時雨かな(正広)

779 :名無氏物語:2009/10/09(金) 06:50:14 ID:i3mAmsU0
飛火もり見かもとがめむ蚊遣火のけむり立ちたつ遠かたの里(田安宗武)

780 :名無氏物語:2009/10/09(金) 06:51:33 ID:i3mAmsU0
高見山ことにし有りけりのぼりたちかへり見すれど国見えなくに(本居宣長)

781 :名無氏物語:2009/10/09(金) 06:53:07 ID:i3mAmsU0
倭には村山あれどたふときは畝火耳なし天の香具やま(大橋長広)

782 :名無氏物語:2009/10/09(金) 06:55:21 ID:i3mAmsU0
鹿のねは近くすれども山田守おどろかさぬはいねにけらしも(藤原行家)

783 :名無氏物語:2009/10/09(金) 07:00:16 ID:i3mAmsU0
月影によもの島辺を見渡せば潮もかなひぬ舟出せよ君(藤原基俊)

784 :名無氏物語:2009/10/09(金) 07:20:24 ID:i3mAmsU0
月待ちて船乗りすべき夕庭のしづけき海に春雨ぞふる(中島広足)

785 :名無氏物語:2009/10/09(金) 07:21:55 ID:i3mAmsU0
妹が門かへり見すれば赤駒の足掻くを惜しといたたせり見ゆ(和田厳足)

786 :名無氏物語:2009/10/09(金) 07:24:16 ID:i3mAmsU0
あかず見し千種の花もうつりゆきて紅葉になげく秋の暮かな(荷田蒼生子)

787 :名無氏物語:2009/10/09(金) 07:25:07 ID:i3mAmsU0
青きをばおきてなげかん陰もなしそむる千入の岡のもみぢ葉(村田春海)

788 :名無氏物語:2009/10/09(金) 07:26:09 ID:i3mAmsU0
山見れば雪もけなくになかざりし鳥こそきなけ春来たるらし(本居宣長)

789 :名無氏物語:2009/10/09(金) 07:27:08 ID:i3mAmsU0
そめざらんものとはなしに秋山の青きをおきてなげくころかな(加納諸平)

790 :名無氏物語:2009/10/09(金) 07:28:07 ID:i3mAmsU0
春日山峰にも尾にも声はしてしかもかくすか秋の夕霧(澄覚法親王)

791 :名無氏物語:2009/10/09(金) 07:29:19 ID:fsdB3oCo
三輪山をしかもかくすか春霞人に知られぬ花や咲くらむ(紀貫之[古今])

792 :名無氏物語:2009/10/09(金) 22:58:12 ID:i3mAmsU0
三輪山をしかもてらせる月影にかくさふべしや杉たてる門(荷田蒼生子)

793 :名無氏物語:2009/10/09(金) 22:58:58 ID:i3mAmsU0
そなたぞと見つつしのばん山の端をしかもかくすかあま雲の空(鵜殿余野子)

794 :名無氏物語:2009/10/09(金) 23:00:12 ID:i3mAmsU0
蒲生野の標野の原のをみなへし野守に見すな妹が袖ふる(大江匡房)

795 :名無氏物語:2009/10/09(金) 23:01:27 ID:i3mAmsU0
いざや君袖ふりはへてすみれ草むらさきのゆきしめの雪みん(藤原家隆)

796 :名無氏物語:2009/10/09(金) 23:02:25 ID:i3mAmsU0
消えやらぬ紫野ゆき標野ゆきそれかとまがふ春の夕暮(藤原為家)

797 :名無氏物語:2009/10/09(金) 23:03:16 ID:i3mAmsU0
標野ゆき紫野ゆき秋萩の花にしほるる袖ぞ色こき(宗良親王)

798 :名無氏物語:2009/10/09(金) 23:04:24 ID:i3mAmsU0
袖ふりし昔もかくや標野ゆき紫の野の春のまどゐは(豊原統秋)

799 :名無氏物語:2009/10/09(金) 23:05:19 ID:i3mAmsU0
春がすみ真袖にわけてしめの行き紫野ゆき子日するかも(橘千蔭)

800 :名無氏物語:2009/10/09(金) 23:24:42 ID:i3mAmsU0
夕涼みあだ寝の床の明け方にすだれうごかし秋は来にけり(殷富門院大輔)

801 :名無氏物語:2009/10/09(金) 23:25:36 ID:i3mAmsU0
軒は荒れて簾うごかし吹く風に閨のおくまで月ぞいざよふ(後崇光院)

802 :名無氏物語:2009/10/09(金) 23:27:52 ID:i3mAmsU0
古に恋ふらむ鳥の声待ちて花橘は花咲きにけり(加納諸平)

803 :名無氏物語:2009/10/09(金) 23:28:49 ID:i3mAmsU0
鶯も言の葉そへてみ吉野の玉松が枝のはしき春かな(千種有功)

804 :名無氏物語:2009/10/09(金) 23:29:47 ID:i3mAmsU0
ほととぎすいたくな鳴きそ独りゐていの寝らえぬに聞けば苦しも(大伴坂上郎女)

805 :名無氏物語:2009/10/09(金) 23:30:52 ID:i3mAmsU0
見渡せば天の香具山畝火山あらそひたてる春霞かな(賀茂真淵)

806 :名無氏物語:2009/10/09(金) 23:31:44 ID:i3mAmsU0
時鳥とよはた雲に過ぎぬなり今宵の月に又や待たれむ(頓阿)

807 :名無氏物語:2009/10/09(金) 23:32:46 ID:i3mAmsU0
月もげにすめる今宵かわたつ海や豊はた雲の跡の浦風(二条為重)

808 :名無氏物語:2009/10/10(土) 00:01:13 ID:i3mAmsU0
入日さす豊はた雲の色暮れてうす雲なびく秋の海原(中島広足)

809 :名無氏物語:2009/10/10(土) 00:13:38 ID:Glld3Scu
露だにもおけばたまらぬ秋の田のかりほの庵に時雨降るなり(藤原家隆)

810 :名無氏物語:2009/10/10(土) 00:15:27 ID:Glld3Scu
唐衣かりいほのとこの露寒み萩のにしきを重ねてぞ着る(藤原定家)

811 :名無氏物語:2009/10/10(土) 00:17:02 ID:Glld3Scu
秋の田のかりほの庵に露おきてひまもあらはに月ぞもりくる(後鳥羽院)

812 :名無氏物語:2009/10/10(土) 00:23:18 ID:Glld3Scu
苫をあらみ露は袂におきゐつつかりほの庵に月をみしかな(後鳥羽院)

813 :名無氏物語:2009/10/10(土) 00:25:15 ID:Glld3Scu
足引の山田もるいほの苫をあらみ木の下露や袖にもるらむ(後鳥羽院)

814 :名無氏物語:2009/10/10(土) 00:26:59 ID:Glld3Scu
旅寝するあまの苫屋のとまをあらみ寒き嵐に千鳥さへなく(後鳥羽院)

815 :名無氏物語:2009/10/10(土) 00:27:52 ID:Glld3Scu
小山田のかりほのいほのとことはに我が衣手は秋の白露(順徳院)

816 :名無氏物語:2009/10/10(土) 00:41:55 ID:Glld3Scu
秋の田のかり庵の露はおきながら月にぞしぼる夜はの衣手(藤原為家)

817 :名無氏物語:2009/10/10(土) 00:44:59 ID:Glld3Scu
ことわりに過ぎてぞぬるる秋の田のかりほの庵の露のやどりは(藤原為家)

818 :名無氏物語:2009/10/10(土) 00:46:09 ID:Glld3Scu
秋の田のかりほの苫にふく稲のほの上渡る軒の月かげ(正徹)

819 :名無氏物語:2009/10/10(土) 01:00:19 ID:Glld3Scu
苫をあらみ小田もる老の心にはなほたへかねて露はらふらん(東常縁)

820 :名無氏物語:2009/10/10(土) 01:01:08 ID:Glld3Scu
晴るる間の雨にかりほのとまをあらみ漏りにし程は漏らぬ月影(藤原惺窩)

821 :名無氏物語:2009/10/10(土) 01:02:23 ID:Glld3Scu
思へ世は玉しくとても秋の田の仮庵ならぬ宿りやはある(後水尾院)

822 :名無氏物語:2009/10/10(土) 01:04:04 ID:Glld3Scu
橘の木の丸殿にかをる香はとはぬに名乗るものにぞありける(源俊頼)

823 :名無氏物語:2009/10/10(土) 01:06:20 ID:Glld3Scu
かるかやの関路になのる時鳥木の丸殿の昔をや思ふ(冷泉為村)

824 :名無氏物語:2009/10/10(土) 01:14:17 ID:Glld3Scu
磐代の岸の松が枝結びけむ人は還りてまた見けむかも(長意吉麻呂)

825 :名無氏物語:2009/10/10(土) 01:15:12 ID:Glld3Scu
磐代の野中に立てる結び松心も解けずいにしへ思ほゆ(長意吉麻呂)

826 :名無氏物語:2009/10/10(土) 01:16:51 ID:Glld3Scu
鳥翔成あり通ひつつ見らめども人こそ知らね松は知るらむ(山上憶良)

827 :名無氏物語:2009/10/10(土) 01:17:39 ID:Glld3Scu
月も見よ旅にしあれば椎の葉にもるいひしらぬ宿にかりねて(上冷泉為広)

828 :名無氏物語:2009/10/10(土) 01:19:24 ID:Glld3Scu
椎の葉にかれ飯もるとやすらへば山風そへて雨こぼれ来ぬ(加納諸平)

829 :名無氏物語:2009/10/10(土) 01:21:36 ID:Glld3Scu
山藤の花序の昏れゆく車窓にぞ師のみいのちは天垂らしたり(山中智恵子)

830 :名無氏物語:2009/10/10(土) 02:22:28 ID:Glld3Scu
その問ひを負へよ夕日は降ちゆき幻日のごと青旗なびく(山中智恵子)

831 :名無氏物語:2009/10/10(土) 02:24:15 ID:Glld3Scu
かたらばや吉野よくみてかへりこむ人にもけふの花の夕を(三条西実隆)

832 :名無氏物語:2009/10/10(土) 02:25:32 ID:Glld3Scu
よしの山雪か雲かのけぢめをもよく見てきませよき人よ君(加藤美樹)

833 :名無氏物語:2009/10/10(土) 02:27:15 ID:Glld3Scu
よき人のよしといひつる吉野山よく見て行きてよしとかたらむ(本居宣長)

834 :名無氏物語:2009/10/10(土) 02:29:07 ID:Glld3Scu
よき人をよしとよく見し夕べより吉野の花の面影にたつ(香川景樹)

835 :名無氏物語:2009/10/10(土) 02:30:12 ID:Glld3Scu
淑き人のよく見と言ひし芳野山よく見て行かな淑き人のため(鹿持雅澄)

836 :名無氏物語:2009/10/10(土) 02:31:12 ID:Glld3Scu
淑き人のよしとよく見て住みよしと云ひし吉野に住めるよき人(平賀元義)

837 :名無氏物語:2009/10/10(土) 02:32:12 ID:Glld3Scu
かしましと面伏せには言ひしかどこの頃見ねばさびしかりけり(良寛)

838 :名無氏物語:2009/10/10(土) 02:46:48 ID:Glld3Scu
又さらに折り焚く柴のしひがたりさすがに夜さへあくべくはなし(加納諸平)

839 :名無氏物語:2009/10/10(土) 02:47:37 ID:Glld3Scu
飛ぶ鳥の明日香の里のきりぎりす君があたりの秋や恋ふらむ(後鳥羽院)

840 :名無氏物語:2009/10/10(土) 03:00:10 ID:Glld3Scu
風かよふ明日香の里の梅が香に君があたりは春ぞ過ぎ憂き(二条為重)

841 :名無氏物語:2009/10/10(土) 03:01:13 ID:Glld3Scu
いつしかと衣ほすめりかげろふの夏きにけらし天のかご山(藤原隆季)

842 :名無氏物語:2009/10/10(土) 03:02:08 ID:Glld3Scu
白妙の衣ほすてふ夏の来て垣根もたわに咲ける卯の花(藤原定家)

843 :名無氏物語:2009/10/10(土) 03:03:09 ID:Glld3Scu
大井川かはらぬゐぜきおのれさへ夏きにけりと衣ほすなり(藤原定家)

844 :名無氏物語:2009/10/10(土) 03:04:34 ID:Glld3Scu
花ざかり霞の衣ほころびてみねしろたへの天のかご山(藤原定家)

845 :名無氏物語:2009/10/10(土) 03:06:50 ID:Glld3Scu
雲晴るる雪の光や白妙の衣干すてふ天のかぐ山(藤原良経)

846 :名無氏物語:2009/10/10(土) 03:28:02 ID:Glld3Scu
白雲の衣ほすてふ山がつの垣ほの谷は日影やはさす(藤原家隆)

847 :名無氏物語:2009/10/10(土) 03:30:04 ID:Glld3Scu
白妙の衣ほすなり郭公天のかぐ山おりはへてなけ(藤原家隆)

848 :名無氏物語:2009/10/10(土) 03:31:57 ID:Glld3Scu
春ををしみ天の香具山袖ぬれてあすは卯月の衣ほすとも(藤原家隆)

849 :名無氏物語:2009/10/10(土) 03:33:07 ID:Glld3Scu
いまよりの秋風たちぬしろたへの衣吹きほすあまのかぐ山(藤原家隆)

850 :名無氏物語:2009/10/10(土) 03:34:18 ID:Glld3Scu
みねたかき天のかご山しろたへのたが衣手を雲にほすらん(藤原信実)

851 :名無氏物語:2009/10/10(土) 04:02:47 ID:Glld3Scu
かぐ山のあまぢのかすみおりはへて神もやむかし衣ほしけむ(藤原基家)

852 :名無氏物語:2009/10/10(土) 04:03:57 ID:Glld3Scu
五月雨は雲のおりはへ夏衣ほさでいくかぞあまのかご山(藤原為家)

853 :名無氏物語:2009/10/10(土) 04:06:11 ID:wR5gsIh8
白妙の衣ふきほす木枯しのやがて時雨るる天のかぐ山(藤原雅経[続古今])

854 :名無氏物語:2009/10/10(土) 04:07:12 ID:wR5gsIh8
白妙にゆふかけてけり榊葉に桜さきそふ天のかぐ山(藤原俊成[続拾遺])

855 :名無氏物語:2009/10/10(土) 04:08:20 ID:wR5gsIh8
朝あけの霞の衣ほしそめて春たちなるる天のかぐ山(土御門院[続古今])

856 :名無氏物語:2009/10/10(土) 04:09:24 ID:wR5gsIh8
冬きては衣ほすてふひまもなく時雨るる空の天のかぐ山(後嵯峨院[続後撰])

857 :名無氏物語:2009/10/10(土) 04:10:41 ID:wR5gsIh8
佐保姫の衣ほすらし春の日のひかりに霞む天のかぐ山(宗尊親王[続後拾遺])

858 :名無氏物語:2009/10/10(土) 04:11:24 ID:Glld3Scu
香久山やあまぎる雪の朝がすみそれとも見えずほす衣かな(正徹)

859 :名無氏物語:2009/10/10(土) 04:14:37 ID:Glld3Scu
さくら花よそめは雲になりはてて衣はほさじ天の香久山(木下長嘯子)

860 :名無氏物語:2009/10/10(土) 05:02:27 ID:Glld3Scu
水無月のテラス手負のラガー出て白妙の裂帛を干したり(塚本邦雄)

861 :名無氏物語:2009/10/10(土) 05:07:09 ID:Glld3Scu
桜ゆゑ片岡山にふせる身も思ひしとけばあはれ親なし(鴨長明)

862 :名無氏物語:2009/10/10(土) 05:08:34 ID:Glld3Scu
しなてるや片岡山に鳴くきぎす片恋ならしなれも妻なし(熊谷直好)

863 :名無氏物語:2009/10/10(土) 05:10:17 ID:Glld3Scu
今も世にいまされざらむ齢にもあらざるものをあはれ親なし(橘曙覧)

864 :名無氏物語:2009/10/10(土) 08:47:49 ID:Glld3Scu
はしきやしわがせの君はいは国のあらき山路をけふかこゆらむ(本居宣長)

865 :名無氏物語:2009/10/10(土) 08:49:47 ID:Glld3Scu
日は暮れぬ山も見わかずなりにけり別れし人はいづくゆくらむ(橘曙覧)

866 :名無氏物語:2009/10/10(土) 08:52:23 ID:Glld3Scu
まきのむらつらつら椿つらつらに思へばひさし君が八千代は(大江匡房)

867 :名無氏物語:2009/10/10(土) 08:53:51 ID:Glld3Scu
こせ山のつらつら椿つらからば逢ふにはかへぬ身をやつくさん(飛鳥井雅有)

868 :名無氏物語:2009/10/10(土) 08:54:39 ID:Glld3Scu
めもはるに袖うちふりてこせの野のつらつら椿あかなくにみん(烏丸光広)

869 :名無氏物語:2009/10/10(土) 08:55:39 ID:Glld3Scu
雁がねのつらつらつばき川上に咲くをみすつるこせの春山(契沖)

870 :名無氏物語:2009/10/10(土) 08:56:47 ID:Glld3Scu
月てればつらつら椿その葉さへみなしらたまと見ゆるよはかな(香川景樹)

871 :名無氏物語:2009/10/10(土) 08:57:56 ID:Glld3Scu
自らを頼まず同じ花あまたつらぬる椿つらつらつばき(与謝野晶子)

872 :名無氏物語:2009/10/10(土) 08:58:18 ID:wR5gsIh8
つらからむ方こそあらめ君ならで誰にか見せむ白菊の花(大弐三位[後拾遺])

873 :名無氏物語:2009/10/10(土) 08:59:09 ID:wR5gsIh8
梅の花なににほふらむ見る人の色をも香をも忘れぬる世に(大弐三位[新古今])

874 :名無氏物語:2009/10/10(土) 09:02:44 ID:wR5gsIh8
夢のうちもうつろふ花に風吹けばしづ心なき春のうたたね(式子内親王[続古今])

875 :名無氏物語:2009/10/10(土) 09:03:41 ID:wR5gsIh8
さらでだにしづ心なくちる花をあかずや風のなほさそふらむ(性助親王[続古今])

876 :名無氏物語:2009/10/10(土) 09:05:46 ID:Glld3Scu
雙生の椿咲く丘はしきよし花はつらつら樹さへつらつら(長塚節)

877 :名無氏物語:2009/10/10(土) 09:11:47 ID:Glld3Scu
麓より風吹き起り椿山椿つらつら輝き照るも(若山牧水)

878 :名無氏物語:2009/10/10(土) 09:27:10 ID:Glld3Scu
むめがえに鶯さそふたよりにや谷の氷も風にとくらむ(藤原家隆)

879 :名無氏物語:2009/10/10(土) 09:28:34 ID:Glld3Scu
谷ふかく鶯さそふ春風にまづ花の香や空にとぶらむ(藤原定家)

880 :名無氏物語:2009/10/10(土) 09:29:53 ID:Glld3Scu
今日ぞとふ志賀津のあまのすむ里を鶯さそふ花のしるべに(藤原定家)

881 :名無氏物語:2009/10/10(土) 09:31:33 ID:Glld3Scu
谷風の鶯さそふたよりをや山里人も春をしるらむ(後鳥羽院)

882 :名無氏物語:2009/10/10(土) 09:32:38 ID:Glld3Scu
をる人の袖こそかはれ色もかもおなじ昔ににほふ梅がえ(寂身)

883 :名無氏物語:2009/10/10(土) 09:34:23 ID:Glld3Scu
花やただ年ふる人ぞあらたまるなごりはしらむ春の木の本(三条西実隆)

884 :名無氏物語:2009/10/10(土) 10:03:56 ID:wR5gsIh8
いづ方になきてゆくらむ郭公よどのわたりのまだ夜ぶかきに(壬生忠見[拾遺])

885 :名無氏物語:2009/10/10(土) 10:04:42 ID:wR5gsIh8
我が宿の花橘や匂ふらむ山ほととぎす過ぎがてに鳴く(藤原顕季[風雅])

886 :名無氏物語:2009/10/10(土) 10:06:31 ID:wR5gsIh8
夕闇にあさせ白波たどりつつみをさかのぼる鵜飼舟かな(後嵯峨院[続拾遺])

887 :名無氏物語:2009/10/10(土) 10:08:43 ID:Glld3Scu
見るほどに散らば散らなむ梅の花しづ心なく思ひおこせし(和泉式部)

888 :名無氏物語:2009/10/10(土) 10:09:48 ID:Glld3Scu
いかにしてしづ心なく散る花ののどけき春の色と見ゆらむ(藤原定家)

889 :名無氏物語:2009/10/10(土) 10:10:38 ID:Glld3Scu
よもの海風をさまりてひさかたの光のどけき春は来にけり(宗尊親王)

890 :名無氏物語:2009/10/10(土) 10:11:35 ID:Glld3Scu
ひとり見てなぐさみぬべき花になどしづこころなく人を待つらむ(北畠親房)

891 :名無氏物語:2009/10/10(土) 10:12:40 ID:Glld3Scu
いづる日も光のどけき久方の天の宮人春を知るらし(正徹)

892 :名無氏物語:2009/10/10(土) 10:13:43 ID:Glld3Scu
木の間より花にかすみて久堅の光のどけき鳥の声かな(正徹)

893 :名無氏物語:2009/10/10(土) 10:14:54 ID:Glld3Scu
今日いくか散らぬ盛りも久かたの光のどけき花のこの頃(冷泉為村)

894 :名無氏物語:2009/10/10(土) 23:45:31 ID:Glld3Scu
かくばかり待つとしらずやほととぎす梢はるかに鳴きわたらなむ(清原元輔)

895 :名無氏物語:2009/10/10(土) 23:46:29 ID:Glld3Scu
ほととぎす逢坂こえてたづぬれば今ぞ音羽の山に鳴くなる(慈円)

896 :名無氏物語:2009/10/10(土) 23:47:32 ID:Glld3Scu
雲のゐる梢はるかに霧こめてたかしの山に鹿ぞ鳴くなる(源実朝)

897 :名無氏物語:2009/10/10(土) 23:49:04 ID:Glld3Scu
いかでかく思ふ心をほととぎす夜ぶかくなきてきかせやはせぬ(村上天皇)

898 :名無氏物語:2009/10/10(土) 23:49:55 ID:Glld3Scu
五月雨に物おもふやどは時鳥なく一こゑもなほぞ夜ぶかき(慈円)

899 :名無氏物語:2009/10/10(土) 23:51:48 ID:Glld3Scu
ほととぎす五月の空やなつかしき雲にむつれて過ぎがてに鳴く(源仲正)

900 :名無氏物語:2009/10/10(土) 23:52:47 ID:Glld3Scu
夕やみのたづたづしきにほととぎす声うらがなし道やまどへる(源実朝)

901 :名無氏物語:2009/10/10(土) 23:53:46 ID:wR5gsIh8
天の川あか月闇のかへるさにまたたどらるる浅瀬しらなみ(一条家経[続古今])

902 :名無氏物語:2009/10/10(土) 23:55:03 ID:wR5gsIh8
ねにたかく泣きぞしぬべきうつせみのわが身からなる憂き世と思へば(読人不知[玉葉])

903 :名無氏物語:2009/10/10(土) 23:56:02 ID:wR5gsIh8
草深き狩場の小野をたちいでて友まどはせる鹿ぞなくなる(素覚[新古今])

904 :名無氏物語:2009/10/11(日) 00:06:32 ID:1G91SyOw
吉野山あさせ白浪いはこえて音せぬ水は桜なりけり(鴨長明)

905 :名無氏物語:2009/10/11(日) 00:07:27 ID:1G91SyOw
秋はなほ浅瀬しら波たどるまで霧立渡るかささぎの橋(順徳院)

906 :名無氏物語:2009/10/11(日) 00:08:41 ID:1G91SyOw
さを鹿の朝たつ山のとよむまで泣きぞしぬべき妻恋ひなくに(和泉式部)

907 :名無氏物語:2009/10/11(日) 00:09:42 ID:1G91SyOw
さを鹿の友まどはせる声するはつまや恋しき秋の山べに(恵慶)

908 :名無氏物語:2009/10/11(日) 00:10:34 ID:1G91SyOw
誰がための錦も見えぬ秋霧にそめし時雨の山ぞかひなき(藤原定家)

909 :名無氏物語:2009/10/11(日) 00:11:25 ID:1G91SyOw
折る人の老いせぬ秋の露の間に千歳をめぐる菊のさかづき(俊成卿女)

910 :名無氏物語:2009/10/11(日) 00:12:44 ID:1G91SyOw
白菊の花の鏡の池水に老いせぬ秋のかげぞ久しき(藤原範宗)

911 :名無氏物語:2009/10/11(日) 00:14:01 ID:1G91SyOw
梅が枝のにほひうれしき直路かな木ごとに花の雪のあけぼの(慈円)

912 :名無氏物語:2009/10/11(日) 00:25:21 ID:1G91SyOw
野も山もおなじ雪とはまがへども春は木ごとに匂ふ梅が枝(藤原定家)

913 :名無氏物語:2009/10/11(日) 00:26:13 ID:1G91SyOw
冬ごもる雪も木ごとに吹く風の匂ふや梅のたち枝なるらむ(藤原為家)

914 :名無氏物語:2009/10/11(日) 06:52:58 ID:1G91SyOw
花といふはなの木ごとにうつしてもあまりやあらむ梅の匂ひは(三条西実隆)

915 :名無氏物語:2009/10/11(日) 06:53:53 ID:1G91SyOw
こころおそき花の木ごとに梅が香の春をつたふる苑の朝風(橘千蔭)

916 :名無氏物語:2009/10/11(日) 06:55:22 ID:1G91SyOw
常陸帯の道のおくなる遠妻にゆきめぐりてもあはむとぞ思ふ(藤原基俊)

917 :名無氏物語:2009/10/11(日) 06:56:23 ID:1G91SyOw
思ひおくる心ばかりは下帯の道はかたがたゆきめぐるとも(藤原雅経)

918 :名無氏物語:2009/10/11(日) 06:57:12 ID:1G91SyOw
朝露をわけそほちつつ夕月夜かすむ山路の花の面影(肖柏)

919 :名無氏物語:2009/10/11(日) 06:58:04 ID:1G91SyOw
秋ちかう野はなりぬとて常夏のつゆもおよばぬ花の色かな(下冷泉政為)

920 :名無氏物語:2009/10/11(日) 06:58:48 ID:1G91SyOw
秋ちかう成りも行くかな故郷の野らにと宿はすみはそめねど(上田秋成)

921 :名無氏物語:2009/10/11(日) 06:59:33 ID:1G91SyOw
鶯の来やどる花に飛ぶ蝶はいづれ心のまどひまされる(契沖)

922 :名無氏物語:2009/10/11(日) 06:59:36 ID:9wAIcrnW
白雲のたなびく山のやま桜いづれを花と行きて折らまし(藤原師実[新古今])

923 :名無氏物語:2009/10/11(日) 07:10:58 ID:1G91SyOw
ものおもへば壁にそむくるともしびの消えかへりてぞあかしかねつる(藤原実定)

924 :名無氏物語:2009/10/11(日) 07:12:03 ID:1G91SyOw
早瀬川なびく玉藻の下乱れ苦しや心みがくれてのみ(藤原良経)

925 :名無氏物語:2009/10/11(日) 07:12:56 ID:1G91SyOw
我が袂さて山河の瀬になびく玉藻かりそめにかわくまぞなき(後鳥羽院)

926 :名無氏物語:2009/10/11(日) 07:13:39 ID:1G91SyOw
乱れゆく蛍のかげや河の瀬になびく玉藻の光なるらむ(細川幽斎)

927 :名無氏物語:2009/10/11(日) 07:15:05 ID:1G91SyOw
水を浅みちひさき魚も河の瀬になびく玉藻の影たのむなり(中院通勝)

928 :名無氏物語:2009/10/11(日) 07:16:49 ID:1G91SyOw
しきたへの枕の下にみなぎりてやがても下すみなの川かな(藤原定家)

929 :名無氏物語:2009/10/11(日) 07:18:16 ID:1G91SyOw
桜花なにそは露のあだ物をおなじいのちにかへてとどめむ(藤原家隆)

930 :名無氏物語:2009/10/11(日) 07:19:11 ID:1G91SyOw
いのちやはなにぞは露のあだしのにあふにしかへぬまつむしの声(藤原家隆)

931 :名無氏物語:2009/10/11(日) 07:30:23 ID:1G91SyOw
風ふけば磯うつ波の立ちかへり見れどもあかぬ君にもあるかな(藤原仲実)

932 :名無氏物語:2009/10/11(日) 07:31:17 ID:1G91SyOw
ほのみてし君にはしかじ春霞たなびく山の桜なりとも(藤原家隆)

933 :名無氏物語:2009/10/11(日) 08:00:54 ID:1G91SyOw
夏衣うすくや人のおもふらむわれはあつれてすぐす月日を(曾禰好忠)

934 :名無氏物語:2009/10/11(日) 08:01:55 ID:1G91SyOw
夏衣うすくや人のなりぬらむうつせみのねにぬるる袖かな(俊成卿女)

935 :名無氏物語:2009/10/11(日) 08:03:12 ID:1G91SyOw
うらみむと思ひしものを夏衣ひとへにうすくなりにけるかな(藤原秀能)

936 :名無氏物語:2009/10/11(日) 08:04:03 ID:1G91SyOw
虫の声聞けばかなしな秋の夜のながきおもひのたぐひと思へば(花山院長親)

937 :名無氏物語:2009/10/11(日) 08:05:30 ID:1G91SyOw
雲もなくなぎたる波にけさぞみるしらぬ千里の沖つ島山(武者小路実陰)

938 :名無氏物語:2009/10/11(日) 08:09:17 ID:1G91SyOw
梅の花にほふ夕べは身を分けて空にこころの春風ぞ吹く(肖柏)

939 :名無氏物語:2009/10/11(日) 08:10:23 ID:1G91SyOw
寝ても見ゆゐても見えけり桜花はかなの春の夢の枕や(藤原家隆)

940 :名無氏物語:2009/10/11(日) 08:11:38 ID:1G91SyOw
夢路にはたれ植ゑおきて桜花ねても見ゆらむ春の夜すがら(長慶天皇)

941 :名無氏物語:2009/10/11(日) 08:17:59 ID:1G91SyOw
秋のきてほころびにける藤袴うつり香こくも猶にほふかな(藤原俊成)

942 :名無氏物語:2009/10/11(日) 08:19:40 ID:1G91SyOw
ふく風に移り香こくも匂ふかなはな橘のよその衣手(藤原家隆)

943 :名無氏物語:2009/10/11(日) 08:21:17 ID:1G91SyOw
ふるさとは見しごともあらず荒れにけり影ぞ昔の春の夜の月(源実朝)

944 :名無氏物語:2009/10/11(日) 09:06:52 ID:1G91SyOw
とりもあへぬ年は水にや流れそふ老いの心の浅くなりゆく(紀友則)

945 :名無氏物語:2009/10/11(日) 09:09:20 ID:1G91SyOw
春霞おもひたちにしあしたよりまたるるものは鴬のこゑ(藤原敦忠)

946 :名無氏物語:2009/10/11(日) 09:10:18 ID:1G91SyOw
ほととぎすなくべき枝とみゆれどもまたるるものは鶯の声(藤原道綱)

947 :名無氏物語:2009/10/11(日) 09:11:06 ID:1G91SyOw
鶯のこゑ聞きそむるあしたより待たるる物は桜なりけり(本居宣長)

948 :名無氏物語:2009/10/11(日) 09:15:49 ID:1G91SyOw
鶯の声を聞きつるあしたより春の心になりにけるかも(良寛)

949 :名無氏物語:2009/10/11(日) 09:16:50 ID:1G91SyOw
鶯の鳴きてつげつるあしたより春の心はさだまりにけり(高橋残夢)

950 :名無氏物語:2009/10/11(日) 09:18:05 ID:1G91SyOw
春ならば花とやみらむ冬ごもりみやまをわけてふれる白雪(藤原長能)

951 :名無氏物語:2009/10/11(日) 09:19:57 ID:1G91SyOw
千年ふる山路のきくも露の間の花とやみらむ秋のよの月(松永貞徳)

952 :名無氏物語:2009/10/11(日) 09:21:33 ID:1G91SyOw
花蓮あかぬ色香は折りてとも思ひぞかけぬ池のもなかに(契沖)

953 :名無氏物語:2009/10/11(日) 09:24:06 ID:1G91SyOw
我が袖ににほひかうつせ梅の花咲きちる岡の春の夕風(飛鳥井雅有)

954 :名無氏物語:2009/10/11(日) 17:14:05 ID:1G91SyOw
梅の花恋しきことの色ぞそふうたてにほひのきえぬ衣に(式子内親王)

955 :名無氏物語:2009/10/11(日) 17:17:20 ID:1G91SyOw
散ると見てあるべき春もなきものをうたて桜を風の吹くらむ(藤原家隆)

956 :名無氏物語:2009/10/11(日) 17:18:29 ID:1G91SyOw
玉桙のゆくてばかりを梅の花うたてにほひの人したふらむ(藤原定家)

957 :名無氏物語:2009/10/11(日) 17:21:33 ID:1G91SyOw
人待たで寝なましものを梅の花うたて匂ひのよはの春風(宗尊親王)

958 :名無氏物語:2009/10/11(日) 17:23:13 ID:1G91SyOw
惜しむなよ誰もうき世の花ざかり散ると見てこそあるべきものを(宗良親王)

959 :名無氏物語:2009/10/11(日) 17:25:39 ID:1G91SyOw
みてのみやけふもすぎなむ白雲の夕ゐる嶺の花の下陰(西園寺公相)

960 :名無氏物語:2009/10/11(日) 17:29:39 ID:1G91SyOw
見てのみや山路に千世を送るべきいざ折りとらむ白菊の花(飛鳥井雅親)

961 :名無氏物語:2009/10/11(日) 17:31:00 ID:1G91SyOw
卯の花を手ごとにをりてかへらまし山郭公聞きししるしに(賀茂真淵)

962 :名無氏物語:2009/10/11(日) 17:40:24 ID:1G91SyOw
梅の花あかぬ色香もむかしにて同じ形見の春の夜の月(俊成卿女)

963 :名無氏物語:2009/10/11(日) 17:41:13 ID:1G91SyOw
山もりもをらばやいはむ高砂のをのへの桜宿しばしかせ(藤原家隆)

964 :名無氏物語:2009/10/11(日) 18:00:50 ID:1G91SyOw
庭の面は柳桜をこきまぜむ春のにしきの数ならずとも(藤原定家)

965 :名無氏物語:2009/10/11(日) 18:01:40 ID:1G91SyOw
みわたせば松に紅葉をこきまぜて山こそ秋の錦なりけれ(藤原良経)

966 :名無氏物語:2009/10/11(日) 18:02:37 ID:1G91SyOw
たつた姫松にもみぢをこきまぜて都の外の錦とぞみる(宗良親王)

967 :名無氏物語:2009/10/11(日) 18:03:19 ID:1G91SyOw
こきまぜし柳さくらの春の夢見わたせばまた雪の初花(正徹)

968 :名無氏物語:2009/10/11(日) 18:10:44 ID:1G91SyOw
こきまぜし柳桜を宮城野の秋の錦ぞ春にまされる(正広)

969 :名無氏物語:2009/10/11(日) 18:12:13 ID:1G91SyOw
秋も又千種の花をこきまぜて都の野べぞ錦なりける(松永貞徳)

970 :名無氏物語:2009/10/11(日) 18:13:26 ID:1G91SyOw
我もまた心そらなり都人やなぎさくらをもてはやすとき(木下長嘯子)

971 :名無氏物語:2009/10/11(日) 18:14:16 ID:1G91SyOw
これも又錦なりけりこきまぜて萩も薄もなびく秋風(後水尾院)

972 :名無氏物語:2009/10/11(日) 18:15:15 ID:1G91SyOw
春ならぬ錦を木々にこきまぜて都の山も紅葉する比(武者小路実陰)

973 :名無氏物語:2009/10/11(日) 18:17:13 ID:1G91SyOw
都人柳さくらにこきまぜて袖のにしきもかをる春かな(香川景樹)

974 :名無氏物語:2009/10/11(日) 18:18:16 ID:1G91SyOw
吉野山こずゑの空に花さそふ風のやどりは峰のしら雲(藤原範宗)

975 :名無氏物語:2009/10/11(日) 19:32:35 ID:1G91SyOw
秋と吹く風のやどりはうき人のこころなりけり行きてうらみむ(宗良親王)

976 :名無氏物語:2009/10/11(日) 19:33:36 ID:1G91SyOw
しらざりし風のやどりは荻の葉にありとも秋はなにに恨みむ(後崇光院)

977 :名無氏物語:2009/10/11(日) 19:35:08 ID:1G91SyOw
よもしらじ風のやどりは尋ぬとも夕の雲の帰るところを(正徹)

978 :名無氏物語:2009/10/11(日) 19:36:17 ID:1G91SyOw
ほりうゑて見るはうれしき花の木のうつろふにこそならひわびぬれ(慈円)

979 :名無氏物語:2009/10/11(日) 19:37:11 ID:1G91SyOw
年へてもまつとはたれかうゑおきしつれなき色に人ならひけり(土御門院)

980 :名無氏物語:2009/10/11(日) 19:38:21 ID:1G91SyOw
秋萩も今はほりうゑじ宮城野は千里のみちに人なやみけり(下河辺長流)

981 :名無氏物語:2009/10/11(日) 19:39:30 ID:1G91SyOw
おのづからそこともしらぬ月は見つ暮れなばなげの花をたのみて(藤原定家)

982 :名無氏物語:2009/10/11(日) 19:40:48 ID:1G91SyOw
み吉野やなげの桜をたのみにてしをりもしらぬ山の夕暮(後鳥羽院)

983 :名無氏物語:2009/10/11(日) 19:47:35 ID:1G91SyOw
暮れなばと思ひし花の木のもとに聞きすてがたき鐘の音かな(頓阿)

984 :名無氏物語:2009/10/11(日) 19:48:24 ID:1G91SyOw
今いくか春の山べにまじりても花の色にはあかずぞあらまし(花山院長親)

985 :名無氏物語:2009/10/11(日) 20:00:12 ID:1G91SyOw
よしやふけ暮なばなげの桜花ちるをだにみむ春の夕風(小沢蘆庵)

986 :名無氏物語:2009/10/11(日) 20:08:11 ID:1G91SyOw
よとともに野べに心やあくがれむもとあらの萩の花しちらずは(藤原顕季)

987 :名無氏物語:2009/10/11(日) 20:09:29 ID:1G91SyOw
鶯のはつねを松にさそはれてはるけき野べに千世も経ぬべし(藤原定家)

988 :名無氏物語:2009/10/11(日) 20:10:41 ID:1G91SyOw
たれしかも野べに心のあくがれてそこともいはぬ花をみるらむ(順徳院)

989 :名無氏物語:2009/10/11(日) 20:11:40 ID:1G91SyOw
妻こふる野辺に心のあくがれて牡鹿なくなり秋の夕暮(嘉喜門院)

990 :名無氏物語:2009/10/11(日) 20:13:07 ID:1G91SyOw
野べに出でて花しちらずは千世もとは幾春秋をながめきつらむ(三条西実隆)

991 :名無氏物語:2009/10/11(日) 20:14:30 ID:1G91SyOw
身をすてぬ心よわさのすることをたれにおほせて世を恨むらん(源有房)

992 :名無氏物語:2009/10/11(日) 20:15:41 ID:1G91SyOw
思ふどちそこともしらず行暮れぬ花の宿かせのべの鶯(藤原家隆)

993 :名無氏物語:2009/10/11(日) 20:16:51 ID:1G91SyOw
思ふどち春のかたみにすみれ摘む野原のまとゐ雨はそほ降る(藤原定家)

994 :名無氏物語:2009/10/11(日) 20:45:03 ID:1G91SyOw
たれしかも野べに心のあくがれてそこともいはぬ花をみるらむ(順徳院)

995 :名無氏物語:2009/10/11(日) 20:45:59 ID:1G91SyOw
おもふどち野をなつかしみうちむれて春の日ぐらし菫をぞつむ(西園寺実材母)

996 :名無氏物語:2009/10/11(日) 21:00:59 ID:1G91SyOw
おもふどちむれてぞきつる春の山かすみの袖にたなびかれつつ(三条西実隆)

997 :名無氏物語:2009/10/11(日) 21:01:59 ID:1G91SyOw
おもふどち春の円ゐのあかぬ野に暮るるも惜しき花の下陰(武者小路実陰)

998 :名無氏物語:2009/10/11(日) 21:02:57 ID:1G91SyOw
山風にさけるつつじは佐保姫にたがぬぎかけしゆるし色めも(待賢門院安芸)

999 :名無氏物語:2009/10/11(日) 21:03:47 ID:1G91SyOw
ぬししらぬ香こそ袂に移りぬれ垣ねのうめに春風ぞふく(平忠盛)

1000 :名無氏物語:2009/10/11(日) 21:04:38 ID:1G91SyOw
故郷のみかきが原の藤袴たがぬぎかけしにほひなるらむ(宗尊親王)

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